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大田花きTOP歳時報告>『芍薬 VS...』〜5・6月のメインキャスト達〜

 

今週の展示

 『芍薬 VS...』

〜5・6月のメインキャスト達〜

 今年も芍薬の季節がやってきました。

 でもこの季節、他にも魅力的な花材がいっぱいですよね。

 

 今回は、5・6月の花のメインキャストを揃えました。

 

■ 展示期間:2009年5月4日(月)〜5月9日(金)

■ 場所  :東京都大田市場花卉棟2F中央通路

■ 展示品目・産地 

    

       芍薬           ・・・ JA中野市

              ・・・  和歌山しゃくやく部会

   

     ダリア          ・・・  JA新ふくしま

   

       トルコキキョウ  ・・・ 佐瀬農園

   

     クレマチス      ・・・  マリーハウス(Seed会)

   

    スノーボール   ・・・  庄内みどり

    

       ナルコユリ   ・・・ 湖西地区)とぴあ浜松

     アスパラ

 

 

”JA中野市”

■”JA中野市”の生産品種

  古都の光

  コーラルチャーム

  サラベル

  三礼加

  志賀の月

  信濃の春

  白砂

  スカーレット

  千鳥

  バンカヒル

  富士

  ポーラウェイ

  マキシマ

  モンテズマ

  ユニバースター

  ルーズベルト

  レッドチャーム

■この産地のこの花に注目

”中野1号”

 日本一の生産量がある長野県中野市が

        生んだ逸品です。

   咲き進むほどにボリュームアップ。

  

       中野1号1週間の動き

■展示風景■

  ”JA新ふくしま” のダリア

 ”佐瀬農園” のトルコキキョウ

 ”マリーハウス” のクレマチス

”和歌山

  しゃくやく部会

■”和歌山しゃくやく部会”

            の生産品種

  華燭の典

  コーラルチャーム

  滝の粧

  滝沢 赤

  滝沢 赤2号 

  ラテンドール

 

 

 

 

 

■この産地のこの花に注目

    

”コーラルチャーム”

 

    珊瑚のようなやさしいピンク。

    咲き進むと色調が徐々に変化。

   きれいな花型のまま花保ち良好。

 

  

    コーラルピンクの1週間の動き

 

 

■品種の画像

 ・・・ 同時開催”SHOW CASE” へ

      中野市農協の芍薬   

       

芍薬の香り情報

 ・・・ 『ACTIVITIES 〜営業本部の取り組み〜 』

    香りの提案 芍薬

ダリア ”JA新ふくしま”

  この産地のオリジナル商材はまんまるな中輪ダリア、

  "ピーチシリーズ" 桃色ベースにオレンジ系ブルーが挿し色に

  なったニュアンスカラー。

  主役にしても、主役に添えても品良くリッチな雰囲気です。 

    

    ”マンゴーピーチ”    ”ブルーピーチ”

    

 

   

 ”ピーチインシーズン”  ”ピーチキャンディ” 

■”JA新ふくしま”その他の生産品種

  アルペンスペンス

  カーニバル

  かまくら

  熱唱

  ミセスアイリーン

  砂漠

  スーパーガール

  月の砂漠

  ドリームダンス

  火の鳥

  マイナウゴールド

  ラララ

       

  

クレマチス ”マリーハウス"

                                               (Seed会)

   色調の薄い花も美しい花型のまま1週間。花保ちも良好。

   ちょっと茎が折れても、水上がりに問題なしの優れもの。

   ラインを効かせたアレンジにおすすめです。

   

   ”ダッチ・オブ・エジンバラ” 

   

    ”エリザベス” 

   

    ”キリテカナワ”

   

    ”カルセドニー”

   

  ”ベル・オブ・ウォーキング”

   

  ”ルリオコシ”

トルコキキョウ ”佐瀬農園”

 

 フリンジ咲きを中心に、オリジナル品種を育成・栽培

 されている伝説のトルコです。

 

 花の美しさも 花保ちも、抜群です。

 

 冬場にはなんと ”1ヶ月持った” という声もあるほど。

 

 また名前の美しさからも、つくり手の心をうかがい知る

 ことができます。

 大和言葉でつけられた ”ほほえみ” や ”ささやき”

 といった名前からはやさしい雰囲気、

 

 漢語的につけられた ”紫宝” や ”白宝” からは、

  凛とした空気を感じます。

  

 

”紫宝”

”ささやき”

”桃宝”

”ほほえみ”

”初恋”

”貴婦人”

”森の雫”

”貴公子”

”白宝”

 

      

                                  

       

                        

初夏の名脇役です。

   ”湖西地区)とぴあ浜松”

 

     ミリオンペラ       ナルコユリ

出荷はじまりました。

      ”JA庄内みどり”

 

 スノーボール

■花にまつわるエピソード

人と芍薬のかかわり
  高雅なたたずまいが美しいこの花のルーツは、アジア大陸北東部にある。
  品種のバラエティーも豊富であるが、意外にも薬草として栽培されたのがはじまり。
  “エビスグスリ”(“異国からきた薬草”と言う意味)”と呼ばれていたという。

今も昔も”薬草”として重宝 
  芍薬は、日本の漢方医学のバイブルとして扱われる中国後漢の医学書『傷寒論(しょうかんろん)』に、
  鎮痙・鎮痛薬作用のある薬草として登場する。根を乾燥させたものを煎じて服用するスタイルで、
  痛風や婦人病に用いていたとのこと。現在も”芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)”などとして
  処方されることのある漢方薬である。口に含むと、ひなびた香りがふわっと広がる。

驚くべき世界のシャクヤク伝説
 東洋では、古くから薬草として重宝されてきた芍薬だが、世界には驚くべき伝説がたくさんある。

 西欧では、古くから芍薬には“魔力”があるといわれており、“摘み取ると祟りがある”とされていた。

 古代ギリシアでは、芍薬は“悪霊”から身を護ってくれる植物とされ、これを摘み取ること自体がタブー。
  いつでも啄木鳥(キツツキ)が監視をしていて、花を摘む者を見つけると人に襲い掛かってその目を抉り
  取ってしまう、なんて恐ろしい謂われもあったようだ。必要のあるときは啄木鳥が寝静まった夜中に、
  こっそり摘んだという。

 古代ローマでは、芍薬は摘み取るときに“うめき声”をあげると言われ、この声を聞くと死んでしまうと
  言われていた。必要な時は芍薬に犬をつないで、人間は遠くから犬を餌で釣り、犬が走り出した反動で
  引き抜くといった手の込んだ方法をとっていたエピソードまである。これらの伝説は、いずれもこの草に
  優れた薬効が信じられていた故に、発生したのではないかと考えられている。
  現在は、観賞用として花を楽しむ人が世界中に増え、日本からの輸出も行われている。

あまりに美しかったから 〜江戸時代に観賞用の花として流行〜

 日本には奈良時代に渡来、元禄時代に品種改良が盛んに行われ、花王の牡丹と共に流行した。
  一方、日本の野生種 “山芍薬(P.japonica)” も安土桃山時代には茶花として用いられるようになった。
  茶の道では白く美しい花の気品を尊び“真行草”で言えば “真” にあたる器、“胡銅(こどう)” に
  入れるものとされた。この習慣は現代に伝わる。このようなことからも、日本人の芍薬に対する心を
  うかがい知ることができる。

一足先にグローバル化!? 代の芍薬(いわゆる洋芍薬)

 1712年、日本の芍薬が博物学者ケンペル(Engelvelt Kaempfer)によりヨーロッパに紹介されたのをきっかけに、
  ヨーロッパ原生種の“オランダシャクヤク(P.officinalis)” や“ペレグリナ(P.peregrina)”系統との交配、
  また同じキンポウゲ科の牡丹との種間交配も進むことになる。自国での歴史の上になされたグローバルな交流、
  今日の”華やか”で”香り豊か”な芍薬はこうして育まれた。芍薬は知れば知るほど “現代の大和撫子達”にも
  通じる、古くて新しい花なのである。

 ”立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花”今も使えるステキな形容です。

■参考文献

 1)園芸植物名の由来,,中村 浩,東京書籍株式会社,昭和56年1月13日
  2)株式会社ツムラホームページ;http://www.tsumura.co.jp/products/ippan/023/index_s.shtml
  3)今様花伝書,川瀬敏郎,株式会社新潮社,平成14年3月15日

 

 

 次回予告

  ”ユリの新品種特集” 2009.05.18〜

 

 
 
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