“松大市 2009”開催!!
12月13日(日)朝7:00開市
毎年恒例、大田花きの“松大市”を開催致しました。
今年もたくさんの皆様にご来場いただきました。
ありがとうございました!!
今年の松は、総入荷90万本!!
今年は天候に恵まれ木の生育がよく、若松の上位等級や門松は入荷が増えましたが、カラゲ松など短い品は減少、根引き松は、昨年並の入荷となりました。
五葉松、大王松、蛇の目松などは、ここ数年の安定した取引を背景に、
毎年少しずつ増えています。
日本のお正月を支える松の生産者の皆様、
今年もたくさんご出荷いただき、ありがとうございました!!
2009年は“世代交代”の年。若手4人がセリに立ちました!!
ベテランのサポートの下、“松大市の文化”や“心意気”が
若いセリ人達に受け継がれていきます!!
こうして松市や千両市といった“大市”でセリに立つことは、
続く私達後輩の憧れでもあります。
「なかなかいいねぇ、華があるねぇ!」これは、セリ場のお客様の声。
自分のことのようにうれしくなる、お褒めの言葉です。
『機械セリ』というと、静かなセリ場を想像されるというお話も聞きますが、
今も、人が行っていることに変わりはありません。
この活気が少しでも伝われば幸いです。
日頃より「日本の花文化の伝承」は私達の使命のひとつと心に留めよと、
先輩方よりご指導いただいておりますが、
この季節の市場は特に、年に一度しか見られないものが多くあります!!
そこで今回は、市場のベテランに教わった“松の種類”をご紹介します。
POINTは3つ 選別の違い・出荷形態の違い・品種の違い です。
門松・若松・カラゲ松 〜選別による違い〜
門松と若松に、業界で共通の規格はなく、
「○○さん(生産者)の門松の、○等(規格)」といった呼ばれ方をします。
毎年、目利きであるセリ人が畑を回り、作柄や仕立てについて生産者との対話を重ね、
お花屋さんはその情報を元に、仕入れをします。
門松(かどまつ/kadomatsu)
足がすっと長くて肩(かた)があります。
肩とは、側枝のこと。
十手(じって)とも呼ばれます。
若松に比べると立派な印象です。
若松(わかまつ/wakamatsu)
門松に比べると、少し細く、
若い木であることがわかります。
カラゲ松(からげまつ/karagematsu)
肩がなく、門松や若松よりも格下ですが、
その分リーズナブル。
お正月の雰囲気を出すアレンジなどに最適。
近年人気が高まっています。
「肩がある」とは、こういうこと!
美しい側枝が仕立てられています。
「肩がない」とは、こういうこと!
側枝がなく、アレンジなどに利用しやすい仕立てです。
根引き松・ナタ切り 〜出荷形態による違い〜
根引き松(ねびきまつ/nebikimatsu)
根っこごと出荷される松です。
ナタ切り同様、余分な枝や葉を落としたり、
すうっとまっすぐ使いやすい枝になるように、
何度も手を入れ、丁寧に仕立てられています。
ナタ切り(なたぎり/natagiri)
ある程度大柄な松で、
木の根元をナタで切った状態で出荷される松です。
余分な枝や葉を落としたり、
蛇の目松・大王松・五葉松ほか 〜品種による違い〜
ショーケースでも品種のご紹介をしています!⇒こちらをクリック!!
蛇の目松(じゃのめまつ/jyanomematsu)
葉は斑入りでマダラ模様。
こちらは“なた切り”タイプ。松笠つき。
魅力的な大振りの枝に仕立てられています。
お正月の演出に手軽で使いやすい
短い仕立てのものも多く取引されます。
大王松(だいおうしょう/daiousyo)
こちらは葉が長いタイプの品種。
日本のお正月を大胆に演出するならこれがイチオシ!!
葉が乱れないよう縛られて、
市場にやってきます。
3つ又に分かれた枝先が美しい仕立て。
短い葉が塊になってつきます。
富士の雪(ふじのゆき/fujinoyuki)
枝先の方につく葉に斑が入るのを、
富士山に積もった雪に見立てた命名です。
華奢で動きのある枝ぶりが特徴。
繊細な雰囲気をまとった松です。
“夢追い松”という名前も素敵です。
ラインを生かして生ければ、
素敵な初夢が見られるかも !?
人生の節目や門出の年にも、
おすすめの松です!!
近年、このようにラインが細く特徴的な
タイプの松の人気が高まってきました。
女松(めまつ/mematsu)
お正月の松のほとんどが黒松系ですが、女松はアカマツです。
太く雄雄しい枝ふり、黒っぽい樹皮、葉も硬い黒松(雄松)。
これに対し、樹皮が赤く木目細か、枝振りも華奢であることから、
女松と呼ばれます。
“松大市の舞台裏”
さて、華やかな大市が開市に至るまでには、多くの陰の立役者達の存在が。
ここでは、その一部をご紹介します。
松市の前々日〜前夜にかけて、トラック満載の松が次々と市場に到着。
社員総出で、交代で荷受です。
生産者のみなさんが、何年も手をかけ、やっと出荷されてきた松です。
藁(わら)やダンボールに包まれた荷をほどき、間違いのないよう、伝票と荷の一致を確認。
これから下見をされるお客様にもわかりやすいように、整然と並べていきます。
こちらは荷受が終わったエリア。意外にも人影が。
セリ人でなくても、販売に関わるスタッフは皆、入荷した品物の下見をします。
仕入れにこられるお客様のご要望はもちろん、
ご家庭でお正月の準備をされる、生活者のみなさんの期待に応える為です。
私達若手は先輩の後をついてまわり、一人前の目利きになるべく修行に励む場でもあります。
夜が明けて、、、人が集まってきました。
いざ、開市です!!
本当にありがとうございました!!
さて、今年もあとわずか、大田花きでは
12月20日(日)“千両・苔松・苔梅大市”を開催いたします。
どうぞお楽しみに!!