そもそも「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多(はらみった)」から来たものと言われ、
煩悩を脱した悟りの境地を川の向こう岸に例えた言葉です。
昔の日本人はその川を三途の川とし、彼岸を死者が辿り着く場所と考えました。
煩悩や迷いに満ちたこの世をこちら側の岸「此岸(しがん)」と言い、
この「此岸」にいる者が「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行をする事で、
「悟りの世界」すなわち「彼岸」の境地へ到達することができるというものです。
また春分の日には先祖の霊が子孫の元に戻ると信じられており、
各地に盆と同じ様に先祖を迎えたり、死者に会うために山に登る風習があります。
お彼岸の墓参りは、仏教と日本独自の先祖供養の風習が混ざり合って行なわれるようになりました。
春の彼岸の間は、ぼた餅や団子などを仏壇に供え、墓参りをして先祖の供養を行い、
各寺院では「彼岸会(ひがんえ)」という法要が営まれます。
彼岸会はインドや中国には見られない日本独自の儀礼です。 |