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歳時報告トップ>千両・苔松・苔梅大市2009 

 

“千両・苔松・苔梅大市 2009”

開催!

12月20日(日)朝7:00開市

 

毎年恒例、大田花きの“千両・苔松・苔梅大市”を開催致しました。

今年もたくさんの皆様にご来場いただきました。

ありがとうございました!!

今年の千両は、総入荷34万本!!

 

今年は裏年のため、上位等級が少なく、入荷数は減少しました。

作柄は、天候に恵まれ木の生育がよく実つき順調な生育でした。

日本のお正月を支える千両の生産者、苔松・苔梅出荷者の皆様、

今年もたくさんご出荷いただき、ありがとうございました!!

 

大田花きの2009年は“世代交代”の年。

松市に続き、千両市でも若手4人がセリに立ちました!!

⇒ “松大市2009”の模様、こちらをクリック!!

 

松市同様ベテランのサポートの下、“大市の文化”“心意気”

若いセリ人達に受け継がれていきます!!

 

“千両の区別”〜色と産地ブランド〜

千両も松と同様、目利きであるセリ人が畑を回り、作柄や仕立てについて生産者との対話を重ね、

お花屋さんはその情報を元に、仕入れをします。

品種による区別はほとんど無く、「○○(産地)の千両」という言い方をします。

各産地への信頼が、そのままブランドになっています。

 

ショーケースで千両の生産者のご紹介をしています!⇒こちらをクリック!!

初鎌、初盛、鎌付、成木、本盛など、千両の様々な株の年齢による区別については、

下方の“千両に使う言葉”のコーナーで説明しております。

オレンジ

 

 

 

 

例えばこちらは、1等20本。

丈は90cm〜100cm程度。

ボリュームと存在感に驚きます!!

「これはよい品物」と教わった品は

どれもずっしり重いのが印象的。

 

        

 市場のベテランに聞いた“千両の目利きポイント”

 

  ・全体のボリューム

  ・実付き

  ・実の艶(つや)

  ・葉の色

 

 

千両に続いて、苔松・苔梅のセリが始まります!!

苔松の出荷者の長谷川様が、ご子息と一緒に応援に来てくださいました。

 

 

苔松はすべてが1点もの。

すべての商品を実際にセリ場で見せながら

現品売りをします。

 

苔松や苔梅の出荷者は、よいものを見極める

“目利き”でないと勤まりません。

日本の文化を陰で支える仕事です。

松市や千両市といった“大市”のセリ人は市場の仕事の中でも花型ですが、

千両に続いて苔松・苔梅のセリが始まると、

今度はセリのバックを勤めるスタッフとのチームワークも光ります!!

後ろから枝を担いで、小走りに登場、次々入れ替わっていたスタッフ達が、

テンポのよいセリの展開を支えています

枝ものとはいえ、家の柱になりそうな立派なものもあります。

間近で見るとその大きさがよくわかります。

 

 

苔松・苔梅の秘密 〜天然ものとハリ苔〜

大きい苔松・苔梅は、施設や畑でつくる他の花とは違った魅力があります。

そのほとんどが山の自然に育まれた、世界にひとつしかないものです。

苔梅の苔は、天然ものが多く流通しています。

目利きによって、選ばれたものだけが出荷されてきます。

古木(こぼく)タイプ

 

乾いた状態です。

折れやすいので、ふんわり縛られています。

生木(なまき)タイプ

蕾が多くついていて、これから咲きます。

通常出荷されてくる枝物に近い状態で

出荷されてきます。

枯れ木の状態です。

こちらは、足元。幻想的です。

蕾が膨らんでいます。

 苔の様子も、生木は少し違います。

一方、苔松の苔は、ほとんどがハリ苔です。

 

松は日当たりのよい場所を好み生育する樹木。

苔が生える環境で生育する松自体が、希少な存在。

見つけることも、栽培することも困難だそうです。

 

苔が生えるのには、大変な時間を要することから、

日本人は昔から、苔が豊かに生えている姿に、

久しく続く子孫の繁栄を願う想いなどを、重ねてきた

背景があります。

 

お正月の苔松は、そんな日本人の心を象徴するアイテム

でもあります。

そこで、多くの人によいお正月を迎えていただく為に、

人の手で演出を施しているという訳です。

 

ひと枝取り出してみると、

曲がりを魅せたい部分にハリ苔が絶妙なアクセントに。

出荷者のセンスが光ります。

 

今回の千両市でも、松市につづき年に一度しか経験できない事柄が多くありました!!

今回はその中から、毎年この季節、

生産者・市場・お花屋さんの間で使われる言葉 をご紹介します。

 

“千両 に使う言葉”

 

 裏年(うらどし)⇔ 表年(おもてどし)

  千両の作柄の話題で、よく出てくる用語、その年の実のなり具合を示しています。
  「表年」とは、実りの多かった年を、
「裏年」とは、実りの少ない年を差します。

  程度の差はありますが、表年と裏年はほぼ交互に来るそうです。

 

  これは植物の生理現象によるもので、植物の体内に蓄積したエネルギーが翌年の花芽形成

  に影響する為に起こります。

  豊作の年は、その分多くのエネルギーを消費しています。

  翌年は、前年の実りの季節に比べ植物体内に蓄積しているエネルギーが少ない傾向にあり、

  結実も少ないことが多いのです。

  生産者はこの植物の性質を心得ていて、安定した収穫の為に表年と裏年で管理を変えて

  いるとのこと。

  植物と対話をしながら、よい千両ができるように応援しているという訳です。

 

 初鎌(はつがま)

   初めて鎌を入れて収穫する千両(播種3年目の株)をこのように呼びます。

   多くの実をつけ、丈は短いものが多いのが特徴です。

   昔は縁起物の中でも重宝され、高値で取引されていたそうです。

   徐々に、成木の脇から出る千両も鎌付(かまづけ)と呼ぶようになり、混同されてしまう

   ケースも出てきた為、「初鎌」と区別して呼ぶようになったと言われています。

 鎌付(かまづけ)

   もともとは播種から3年目、初めて結実した千両のことを言います。

   今は、成木の脇から出る千両も鎌付(かまづけ)と呼ぶようになったとのことです。

   (※ 詳しくは前項をご参照ください。)

 初盛(しょざかり)

    播種4年目の株から収穫する千両のことです。

   株が成木になり、収穫量も安定してきます。

 成木(せいぼく)

   播種4年目以上の株のことです。

   株が充実し、安定した収穫を期待することができます。

 本盛(ほんざかり)

   播種5年目の株のことです。

   安定した収穫を期待することができます。

 

“松 に使う言葉”

 縄縄(なわなわ),白白(しろしろ) ,緑緑(みどりみどり)

   枝をくくっている紐の特徴示す言葉です。“紐”と“目印”を兼ねています。

   生産者の好みや組み合わせ次第で、縄白(ナワシロ),白緑(シロミドリ)なども。

   わざわざ印をつけるのではなく、束ねる作業と並行して印つけも終わってしまうという、

   手際のよい仕事運びが想像される、風物詩です。

縄縄(なわなわ),白白(しろしろ)

緑緑(みどりみどり)

“千両・苔松・苔梅大市松大市の舞台裏”

さて、華やかな大市が開市に至るまでには、多くの陰の立役者達の存在が。

ここでは、その一部をご紹介します。

こちらは千両の荷受の様子。もちろん社員総出です。

 

 広いスペースがどこも千両でいっぱいです。

 

 

 日が暮れて10tトラックで苔松も到着!!

 役割分担をして、手際よく、

 

 品物を傷めないように細心の注意を払って、

 荷受をします。

 

 夜が明けて、、、開市です!!

 

 

セリの裏では並行して、お花屋さんが一刻でも早くお店に帰って仕事ができるように、

猛スピードで、分荷機を利用した仕分けが行われています!!

 

今年もたくさんの皆様にご来場いただき、

本当にありがとうございました!!

さて、今年もあとわずか、大田花きは、

12月29日(火)“止市”

明けて新年は、

1月4日(月)”切花開市”

を予定しております。

 

松・千両市が終わっても、社員一同、

全力でお花屋さん、生活者のみなさんのお正月をサポート致します。

どうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

株式会社 大田花き