安心して売れる荷主さんに買いが集中


昨日は松市であった。
4つのセリ機で筋物(若松・門松)から一斉に競った。セリ前に相場の目合せをし、4人のセリ人は立ち会いに望んだ。
しかし、スムーズに流れたのは大森園芸時代から「あの人の物は違う」と言われているOさんのものだけであった。
昨年までは、一般小売店も値段を重視して、若松であれば2、3等級のものに買いが集り、それらの相場が割高であったが、今年は「隣の店がいくらで売ろうとも、自信を持って売れる荷主さんのものを買いたい」と判断し、Oさんのものだけに人気が集中した。
価格重視から、質を重視した割安感の時代となってきているようだ。このような時代になると、その花で1位、2位の産地は安泰だが、3位以下の産地の相場が思わしくない。昨年まで1梱包当りの大田平均は、今時12,000円であったのが、本年12月は1万円当りを右往左往している。安値の理由は、下位等級の支えが無くなってきた為である。等階級ではなく、花保ちの良い中身の充実した産地への人気度が益々高くなって行くことであろう。


1996/12/09 磯村信夫