物流改善について


物流は大田花きの最も大切な役割である。
この3月の需要期に向けて、鉢物の顧客別仕分を始めた。鉢物は積み重ねることが出来ないから、スペースも多く取る。しかし、顧客サイドから見れば、需要期と言えどもアルバイトを募集し、人手を増やすことはままならない。そこで鉢物関係の部署から、思い切って買い主別に分けてあげよう、ということになった。火、木、土にはセリ後30分以内に鉢物の分荷が終了する。お花屋さんからは好評だが、お彼岸の切花の需要期となった先週は、切花をテント倉庫で分荷せざるを得なかった。これもどうにかしのぎ、まあまあの顧客サービスが出来たものと思っている。
分荷は、このように自助努力で高いサービスレベルに持っていくことが出来たが、問題は入荷(荷受)である。今日も5時を過ぎて愛知、静岡のとある農協の荷物、飛行機便の荷物が延着で入荷した。こう遅いと、予約相対や先取すべき品物がその中に入っている場合、てんてこ舞いになる。もちろんセリにも支障をきたす。仲卸さんは5時までに彼らの顧客別に分荷を終了し、待たせているトラックを出発させたい。そうでないとその仕向先であるお客さんが間に合わなくなるのだ。だから結局キャンセルとなり、常時遅れる産地の物は、夜半1時までに到着する産地の物に発注を替えられてしまう。セリも当然後の方で売られることになる。こうしてその産地からの入荷が切花では少なくなる。
鉢物の場合、大田花きが依頼した運送店が集荷に行くから、例え遅れる場合でも、何時頃に到着するか伝わっている。その分、段取りができるのだ。しかし、切花の輸送は、今後改善していかないと結局生産者の収入が少なくなっていく。
ではどのように改善するべきかというと、産地から委託されたトラック会社は、受入先である大田花きの荷受係に何時何分頃到着するかを伝え、予約する。これがまず1。2は、パレット輸送、飛行便であればコンテナ輸送、近隣の産地は台車輸送と、それぞれ荷姿別に降ろす場所が異なるのでその荷姿を明確にさせておく必要がある。週40時間制で運転手さんの労働を軽減しなければならない。花の場合、1ケース、1ケース直に積んでいるから、この物流荷姿を変える必要がある。ちなみにパレットであれば11tで10分ないし15分。これが1梱包ずつ降ろすとなると、1時間半もかかる。農協の集出荷所で等階級別に分けられ、パレットまたは台車に積まれているものを、またトラックに積み込む際にバラバラにされ、それをまた大田花きで荷受けする時に等階級別に降ろされる。こういうムダを省く必要がある。3つめの改善点は、産地の集出荷所で農協担当者が納品伝票の作成にかける時間である。ノー検品でトラックに積み、納品伝票を待たずにすぐそこをでる。農協はインターネットで運送会社の事務所に大田の納品伝票を送り、運送会社は運転手に連絡するとともにインターネットで大田に送り状を送る。するとその間約2時間早く現地を出発できる。
コンピューターネットは物流を担当する運送会社と、大田のような荷受会社との間でも行われる必要がある。このように物流を合理化していくことが花き業界の急務である。


1997/03/17 磯村信夫