千両市


12日の金曜日、夕方からボーナス後初めての“花金”で繁華街は賑わい、小売店もようやく年の瀬を感じさせる荷動きになってきたようだ。その余勢が土曜日の相場になって現れ、昨日の千両市も予想より良かった。といっても例年並みの相場水準と売上で、悪くはなかったということである。昨日は日本中でほとんど一斉に千両市が展開されたが、概順調(くどいようだが昨年並)となっていたようだ。
こうなると花き業界は恵まれた業界であるといえる。小売店の間では、「松が安かった、あるいはシクラメンやポインセチアが安かったので千両は高い」と従来通りのパターンで考えていた。従来通りに考えられるだけこの業界に差し込む風は穏やかのものといえるのではないか?
しかし、本日の立会いでの一輪ギクや小菊は安い。その理由は、街がおしゃれになり、洋風(ここで洋風というのも既におかしいが)なもの一色になっているから、結局葬儀にしろ店頭の飾り付けにしろ25日までキクは不要になっているのであろう。人口動態と嗜好のなせるわざで、如何ともし難いのかもしれない。花き業界は24日までのクリスマス、そしてたった5日ほどの正月市との様相を年々強めてきている。


1997/12/15 磯村信夫