底を打った消費者マインド


この国の関心事が高齢化から少子化に移ってきた。
もちろん足元では、会社存続の危機や売上減、社会システムの変更に伴う不安やらで暗中模索というより不安におののく日々が続いているが、将来のことについて真剣に討議され、今までより少し前向きにものを考えるようになりつつある。感覚的に不安のボトムは打ったとみる。マクロ的には地方の問題をどうするか、転職の意向をどのように図るかが課題で、賃金が相対的に伸び悩んでいくことを前提に考えると、おおよそ来年の暮れぐらいには目ハナがつきそうな様子となってきた。しかし、実体経済はそれに遅れてついてくるから、今世紀中は苦しいと思われる。12月に入り、新聞に「おしん」のビデオの広告が目立つ。我慢しようというのだろうが、同時に日本人のアイデンティティーを共に見て欲しいと思う。
花の話をすると、量販店の元旦ないし2日からの営業は、消費者に買い込む意識を薄れさせた。このことは購買意欲を薄れさせたといっても当たらずと言えども遠からずである。ツメに来て売れない状況は困ったものだが、時代の流れで止市が春の花の支度と定義付けられるようになるまで、しばらく時間がかかる。時代を縫って前進していくのは甚だ難しいことであるが、30歳代に焦点を絞り流通させていくべきと、止市が教えてくれている。

本年中は格別の御引立てを賜り厚く御礼申し上げます。
来年も尚一層のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。


1997/12/29 磯村信夫