ロジスティックス


生鮮食料品等流通問題研究会から、中間論点整理として「卸売市場の新しい展開と活性化へ向けて」と題するレポートが、農水省から届いた。
たいへん読み応えのあるレポートで、よく配慮されている。内容も踏み込んだもので、このページをご覧の方も、機会があればご一読願いたい。卸売会社の最も大切な機能を決済業務であるとし、卸売市場全体ではロジスティックスが最も大切なものと位置づけていることは、まさに今日的意味において正しい。
花き業界ではロジスティックスをコーディネートするものが今まで存在しなかった。トヨタの看板方式からはじまってコンビニエンスストアまで、サプライチェーンをマネージする仕組みを創り上げたものが消費者に受け入れられ、事業を伸ばしている。花も農産物ゆえ、生鮮食料品と同様に鮮度が大切で、天候の影響を受けやすい。青果と違い、物日には爆発的な需要があり、物日間際の月曜日や金曜日は一人一人の生産者の思惑も絡んで、平常の倍の入荷量となることが珍しくない。その状況で、作業を深夜から夕方遅くまですることによって乗り切っているのが、花の卸、仲卸の現状だが、翌日の火曜日や土曜日になると、荷物は2割以下に落ち込む。小売価格と卸売価格の差が大きくあることが、月・水・金に荷が集中する理由であるが、生産が多くなるにつれ、利幅を下げてでも売ろうとする小売店も増え、荒利が4割台になってきている。こうなると遅くまで仕入れにかかる月、金を避け、他の日に仕入れをしようとする小売店が、ここ大田花きでは増えてきている。自然現象でこうなってきたが、誰かがコントロールすることによって鮮度の良いものを安定的に届ける手立てをしなければならない。
今、月曜日の9時少々前。愛知から荷が届いたという。こういうことが起きないような仕組み作りをして、安定的に流通させなければ、結局割を食うのは消費者と生産者である。その意味で、大田花きではロジスティックスを「最も改善しなければならない最優先事項」として位置づけることにした。


1998/09/14 磯村信夫