40才代消費不振が物日を注目させる。


今から4年前の95年までは、物日になると安くなって普段の時の方が堅調相場という市況を繰り返していた。それが年々普段が効かなくなって、物日に需要が集中するようになってきた。
その原因は2つある。一つは、量販店やカタログ販売などが、需要の確かな物日に花を売るようになって、需要が拡大していること。二つめは、40才代、50才代の前半が消費を手控えているためである。彼女達、団塊の世代は、日頃から花を欲しいと思っても、手控える人たちが多くなってきたのである。
この2月は、寒暖さもはげしく、年輩者が利用する街のお花屋さんの売行きがずいぶん落ち込んだ。それに加え、二つめの理由により花の価格は下がって行った。
しかし新しい芽吹きもある。量販店で花を買う習慣をつけつつある40才代、50才代の人達が、着実に増えてきているという点だ。今後とも小売流通が大きく変わって行くであろうから、この傾向はますます強くなって行く。仲卸や卸売会社で言うと、量販店の得意先を持っていないところは、しばらく業績は横這いの状況が続くであろう。しかしこの傾向は、地域の中小スーパーが花を扱うようになってくると、一定規模以上の卸や仲卸はまた業績を伸ばしてくる。それが3年後なのか5年後なのか、確実に町の小売店からスーパーマーケットへとホームユースの花は移って行く。だが、アメリカの97年のデータが示すとおり、専門店65%のところまで行くのは、日本の構造改革が終わりつつある2005年以降ではないか。


1999/02/22 磯村信夫