本年度を花き業界の体力増強の年として欲しい


3月にお知らせした通り、世界中で供給過剰の是正が大きな態動となって表れてきている。花き業界においても、あまり効率的でない組織体や個人がふるいにかけられている。
「効率」とは、インプットとアウトプットの差のことであるから、10投入して、10しかアウトプットしない場合には、結局その組織体やそこに属する人は生活できなくなる。生産者の1/4程は利益を出していない。また、原価消却費等を考えると、1/3までが非効率と言わざるを得ない経営状態である。小売店でも推定2割弱の店で、なんらかのリストラ策をとらないと存続が難しくなってきた。内1割は、資産を食いつぶしながら存続している。卸売会社も、金利が低いので短期借入をして産地に支払いを行っているところも少なからずあり、金利が5%となると赤字に転落するところも出てくる。仲卸においては、安定した資金手当てが出来ている会社はいずれも優良会社で、実際資金を必要としているところ程、金融支援を仰げないでいる。
これら花き業界で起きている負の面を、我々は真摯に受け取り、経営の改革と合併、リストラを促進する必要がある。花は今後とも消費が確実に伸びて行くが、流通機構において、各経営体のシェイプアップを真剣に取組まないと、次のステップへ登ることが出来ない。人員や店舗、そして現在の花き産業にいる事業体の数など、決して多いとは思わないが、経営の質や社員の質などにおいて、特に積極性という点が他産業と比べてみて見劣りするのではないか。積極的に打って出ることが小売店のみならず、花き産業にいる全ての人達の課題であるとすれば、それができる体力を自ら作り直す必要があるのである。


1999/04/05 磯村信夫