CO2マーケット


 トヨタもホンダに次いで2001年には部品等を全て再利用する工場を作るという。ちょうどファーストフードやコンビニエンスストアが我々のサービス基準を決めているように、メーカーはすべからく環境に配慮しなければならないことになる。
世界の大企業や、日本では特に総合商社が植林に熱心である。環境を傷つけざるを得ない仕事、例えば鉱山や自動車産業などは、他の有害な物質を出す。商売が繁盛し、その企業が大きければ大きいほど社会を利するが、応分の“地球汚し代金”を払わなければならない、という考え方が出てきた。今までメーカーサイドは排気ガスなどのレベルを押さえるよう、厳しい基準を設け、環境を保全しようとしてきたが、さらに一歩進んでCO2浄化市場を作ろうとする気運がある。例えば大田花きがメーカーだとしたら、200億に相当する排気ガスを浄化するための森を所有しているが、残り50億円強のCO2浄化の分が不足している。それを王子製紙や天皇家や、日本の山持ちから買わなければならない。そういうマーケットを作ろうというのである。そうなれば、熱帯雨林や領海内に豊かな海を持つ国々は、生活向上のためにこのマーケットを通して資金を手に入れることができる。
このように、紺屋の白袴である我々花き産業に働く者は自然環境に注目し、他産業に先駆けて取組まなければならない。農薬、塩ビ、箱やトレー、草丈の長さ、鉢やポリポット、アレンジ用資材など、胸を張って真に生活の潤いを提言できるよう、身を正す必要がある。


1999/06/21 磯村信夫