いよいよ始まった花き業界のリストラ


 いよいよ堪らなくなって、供給過剰の是正を国を上げてやり始めた。株価が高くなったり、円が強くなり過ぎ、日銀が介入したりしていることで判るとおり、バブルの時に作ってしまった過剰設備や、雇ってしまった余剰人員を国際競争力に耐えるものに鍛え直したり作り変えたり、償却するリストラ作業を官民上げてやりはじめた。
その為の優遇税制や、失業者の再教育などに関心が移る一方、企業はスリム化し、筋肉質に変わろうとしている。
このような状況を本年、来年の2ヵ年に集中的に行い、再来年以降は省庁再編で象徴されるように、新たな仕組みを作りだし、それを実のあるものにする2年間。そして2003年以降は、再び蘇る日本経済を目標にしていくであろう。
経済戦略会議のメンバーである竹中平蔵氏の講演を聞く機会があった。大切なことは、日本の経済成長力は2.5%、少なくとも2%(前年対比)であるという事実である。それが発揮されるよう、国民の意識まで変え、ここ数年でやり遂げなければいけない。
農業は規制緩和の中で、生産性の低さ故にビジネスチャンスがあり、将来性が期待されている。競争に負けて衰退していくのか、それとも磨きをかけて生産性を向上させるのか。少なくとも花の場合、量が増え、単価が下がる。この方向には間違いあるまい。これをどのように種苗、生産、卸、仲卸、小売が、自分のものとして受け止め、国際レベルの生産性を持ち得るか。ここにこれから4年の課題がある。
特に本年は、縮小均衡型の切花の影響で、供給過剰の是正、すなわち淘汰の波がヒタヒタと足元に迫っている。このような中、どのようにすれば消費者価値を上げていけるだろうか?
大田花きでは消費者価値創造のための種苗、産地、販売店まで含めた取組みと、切花、鉢ものの花持ちを、欠かせない課題として取組んでいる。




1999/06/28 磯村信夫