途中経過


 めっきり秋めいてきて、枝物では実物や紅葉のはしりが出荷されている。現在、来年度の新市場法に向け、都の条例やら施行規則などを作るため、各場(大田市場、築地市場など)毎に開設者である東京都と調整し、都が素案を年内中にまとめる予定である。
叩き台として出されている都の案は、今回の東海村での事故のような緊急時を除き、ほとんど今までの規制を撤廃ないし緩和し、卸売市場外流通など、一般の取引と変わらぬものにしている。ただし、生産者よりの委託出荷が多いので、不公正な値決めなどが起こらないように、開設者が監視していく姿勢であることは言うまでもない。花の場合は相対取引もさることながら、取扱品種が膨大な数にのぼるため、コンピュータライズされたセリ機を使用したセリが取引の中心であることは今までと変わりないが、買付や商物分離など、効率的なオペレーションが可能になるので、卸売会社の収益力が増すことが予測される。

さて、今期上半期は、5月から単価が前年を大幅に下回った。天候と経済によるものだが、日本農業が米から園芸農産物へと作付が増えたことも、構造的な要因としてあげられる。以上3つのうち、経済については花き小売店は最悪期を脱したという見方をする人が多い。一部支払の滞っている買参人(直接卸売会社で仕入れることができる仲卸、小売店)が出てきているが、上半期相場が安かったため、利益率が大幅に改善されたようである。この下半期の見通しは、まだまだ予断を許せないものの、概ね順調に推移するものと思われる。




1999/10/04 磯村信夫