8月のお盆


 8月盆の商況は、高かった一昨年と安かった昨年の真中位と読んでいた卸売会社が多かったが、小売店の発注価格を聞くと、昨年よりさらに下げた価格提示が多かった。7月のお盆が昨年よりも安かったためと、生産者と小売店のどちらもまぁまぁという価格を探るというのが卸売会社の商売だから、全般の受注はどこの卸売会社でも例年を下回っていた。

7月の月末は、主として岩手県のリンドウが第一回目のピークに入るため、安値となる。この時点では毎年ムードは弱気が支配する。今年もそうで、2日の水曜日まで弱気配で、受注は少なかった。それが暑さで思ったように咲かない、猛暑だったから前進開花した、などなど、実際に産地を見てきたのか、単なる噂か解らないが、飛び交う噂が急に品薄の方に振れてくるのが4、5日頃からで、そのころからどっと駆込み発注が多くなる。

この7月から10月までの切花、鉢ものの作付は総じて前年並みで、暑さや豪雨などで前年の出荷を10%程下回るものと予測されている。

タクシーもどうやら底を打ったようで、タクシーよりもまだ景気遅効性が高い花でも、ナベ底から脱していないが、景気は確実に反転してきている。


2000/08/07 磯村信夫