6月は低調


今日から7月、九州・西日本を中心に梅雨末期の豪雨が襲っている。東京では7月のお盆で6月のマイナス分を取り戻そうと小売店も意気込んでいる。

さて、6月は過去3年間で最低の単価水準となった。その低調さは昨年の12月から本年の1・2月と同等のものであった。日々の売上を見ていると、前年よりも低い水準が続いた。その理由として天気と景気があるが、サッカーのワールドカップで消費者の気が花まで行かなかったとする意見がある。それも一因であろう。しかし、団塊ジュニアの結婚ピークが過ぎたことも市況の低迷に繋がった。ジューンブライドなのに、結婚式のピークとは言えなくなったのである。それだけ組数が減ってしまっているのだ。またここでもう一つ大切なことは、消費者のターゲットを60歳以上の高齢者と30歳代に狙いを絞り、特にホームユースを中心に商品作りをしてきたが、30歳代が6月は花のシーズンではないと感じている点である。

花のシーズンは5月の母の日までとこの若い世代は考えている。今年の母の日過ぎ、涼しさと端境期で、この世代が考えている花の時期が5月いっぱいまで続いた。だから夏物衣料は売れ行きが悪かった。そして、6月初旬暑さで花もシーズンオフとなり、これが7月、8月の盆需要を除き、9月の敬老の日前まで続こうとしている。しかし、この傾向は北半球の国ではごく一般的なことだ。高温多湿の6月から9月まで仏事を除き、花が売れにくい状況になるのはやむを得ない。客足が遠のくようにしないためにも、この4ヶ月間、ホームユースを中心とした切花や鉢物を品質保証していけるようにしなければならないのだが、まだ実行している産地や販売店が少ないのが現況だ。6月を終えて反省させられることは、夏場でも持つ花で30歳代向けの商品企画の重要性である。それは葉物やアンスリウム、ヘリコニア、ハイビスカス、ランなどの南洋を思わせるトロピカルなものでもあるはずだ。来年は秋物も含め、早々に6月から投入することも考えなければならない。




2002/07/01 磯村信夫