7月後半


このたびの新潟県中部、福島県会津地方及び福井県の集中豪雨による災害に心よりお見舞い申し上げます。現時点での農作物の被害はもとより、秋か冬にかけての生産出荷に甚大な被害を及ぼすのではないかと懸念されており、花き生産者の御苦労を再認識しております。

さて、先週JA上伊那の征矢(そや)組合長をはじめ、全農・農協の方がお越しになり、切花の話題だけでなく果物用の花木まで話が及びました。ヨーロッパでは80年代後半から徐々にオランダ経由のシェアが高まり、サマーフラワーと言われる季節物以外はほとんどの花が周年化されていきました。そこでゲルマンの人たちは葉物や他の素材でメカニックと言われる人工物を作り、目新しさを消費者に訴える方向に進みましたが、北欧とプロバンスは花市場に仕入れに行った後、野菜・果物市場に行き、実物を使ったり、またアウトドアで自然の物を取り入れるなどして、デザインをフォークロア調にしていきました。
日本でも通年出荷される花が大変多くなり、一昨年の農薬問題の時、ラ・フランスやリンゴの2Sサイズ以下のものを販売したところ、量的にも思いのほかさばけ、世界は一つなのだなと実感した次第です。ブルーベリーは枝物でもようやく量的に出回りつつありますが、他のベリー類はまだ決して多くありません。花付き・実付き花木は今後の注目される重要なアイテムとなっています。

さて、今年の8月盆はどうなるでしょうか。高温少雨でかなり前進しており、予約相対を受けられないという品目が幾つもあります。キク類でも7月の最終週に8月盆用のピークがきてしまう産地もあり、10日以上も早まっているところもあります。昨年は8月下旬のキク類が前進し、15日まで団子状態になり価格は暴落したということでしたが、今年は盆以降の作付けが少なく、肝心の8月需要期に穴が開いてしまうのではないかと心配しています。




2004/07/19 磯村信夫