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2005年9月12日

十条の花屋さん

 選挙が終わった。自民党が圧勝したのには様々な理由があろうが、大事なことを一つに絞って集中して行ったことによるところが大きいと思う。スーパーストアダイエーも青果の品質にこだわり、店を立て直そうとしている。特に所帯の大きい組織では、大切なことに集中し一つ一つ成し遂げていくことが必要である。

 さて、8月の末に十条という街に行って花屋さんを見てきた。十条という所は埼京線で赤羽から池袋方面に向かって一つ目の駅である。歩いて1時間で回れる範囲に10軒の花屋さんがある。こんなに花屋さんが密集しているのは東横線の学芸大学駅近辺―ここには15軒ほどある―に次いで多分都内で2番目ではないか。

十条は下町で仏花が良く売れる。まだ暑いから殆どキクを中心とした品揃えであったが、どうもターゲット顧客を年代層の高いところに置いている。私が見て、この雰囲気だったら花を買いたいなというお店は1軒しかなかった。でも、残りの9軒は営業している。いずれも冠婚葬祭の花をやっていないとしたら、年間3千万円売れるかなという店が殆どである。やはり平均して1日10万円、年間3,500万円は売上が欲しい。そうでないと時代や変化に合わせてお店を変えていくことができない。花屋さんは八百屋さんや果物屋さんと違って、素材販売をしているわけではない。技術を加味して小料理屋や出来合いのおかずを売っている花のお店だ。だから残っていけるわけだが、洋服屋がそうであるとおり、個人経営が残れるところは少ない。再度経営の見直しが必要だと思う。大変失礼だが、十条の花屋さんたちの約半分が10年以内になくなる可能性が高い。それは倒産ではなく後継ぎがいないため、高齢になって辞めていくからだ。近所にスーパーができて、花売り場が設置されるとその流れは加速する。個人の花屋さんは自分の料理人としての腕前を磨き、特徴を出して売れる店作りを是非お願いしたい。

投稿者 磯村信夫 : 2005年9月12日 18:02

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