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2010年4月19日

オランダから荷が来ない

復活祭の需要期が終わっていたので相場は落ち着いていたものの、話によるとアメリカの東海岸の入荷はオランダからの供給が途絶え、偏った荷姿となっているようだ。アメリカでは西海岸から東海岸へ飛行機で輸送する時間と、オランダからアメリカの東海岸へ出す時間とそんなに変わりない。アメリカの相場はボストンやフィラデルフィアのマーケットが建値を作る。この2つの都市は歴史ある町として、花の消費も活発で美意識も強く、素材にこだわるのも一つの特徴となっている。
日本でもアマリリスやヒヤシンスの切花など、オランダからの荷がないと困る品目がある。また国際分業しているので、ケニアやエチオピアのバラ生産会社はヨーロッパに向けて出荷できないので困っていると言う。アメリカに卸売市場があれば出荷先を変えることもできようが、アメリカは契約取引のマーケットや問屋がまとまってその地域にあるというだけだから、アフリカの生産会社は出荷できず花を捨てざるを得ないと嘆いている。
インドのバラ生産会社はヨーロッパ向けだけではなく、日本の輸入商社と取引があるから、ヨーロッパ向けのものを可能な限り多く日本で捌いてもらうよう話しをする。バラは5本に1本か4本に1本は海外から輸入されたバラで、国産と海外産地のものとの棲み分けが進みつつある。困ったときはお互い様なので、このままヨーロッパの空港の閉鎖が続くのであればインドのバラをどのように販売促進していくか、打ち合わせをしていく必要がある。

話題をもう一つ。東京地方も40年ぶりの遅い雪で、一都六県でも成りものに大きな被害が出ている。先日も水戸に行った折、梅が結実していないのを見て残念に思ったが、今ちょうど桃や梨の花の時期になっているから、今年の秋だけではなく来年までもこの天候不順は我々に大きな影響を与えそうだ。もうすぐ母の日で寒さと日射量不足からカーネーションの切花や鉢物、バラあるいはアジサイなど遅れが目立つ。年度末にバラの切花価格が高騰したが、その後一週間余り経って遅れていたものが出荷されて価格は急落した。需要期が終わって出荷されては誰も得をしないが、今年の母の日はこのまま行くと供給量が切花・鉢物とも前年を下回る。どこまで硬い切前で出荷できるか、プレゼントだから見栄えが必要だが、今年はやや硬い切前で出荷せざるを得ないので、切前について小売店と打ち合わせて、需要期中に量を確保する算段をしなければならない。景気は緩やかだが最悪期を脱しつつあり、自然災害を極力業者間の友好関係で解決し、乗り切っていきたいと考えている。

投稿者 磯村信夫 : 2010年4月19日 00:00

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