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2014年6月 9日

咲き切るバラ売場が作れれば繁盛間違いなし

 「あのお店のバラは咲き切る」と評判になれば、その花売場は絶大なる信用を得るだろう。それくらいプロの我々が見ても購入した時は良さそうに見えても、一週間も経たないうちに茶色に変色するボトリチス菌に侵された花だったり、ベントネックになったりする。

 冒頭からこんなことを書いたのは、人気の専門店でバラを購入した時はほとんど失敗がないのに、スーパーやホームセンターで購入したバラがしっかりと咲く確率が本当に少ないのだ。輸入品が咲かないというわけではない。大田花きでも花持ち試験室だけでなく、常温の事務所で花持ちテストや開花テストを常時行っている。おそらく原因は市場から後の水揚げや鮮度管理のやり方と花束加工場などがボトの出やすい環境にあったのではないか。

 近年、バラの価値が上がっているが、経済情勢からバラの単価は上がらずにいるので、今まで安い輸入のバラを使っていたスクールの人や量販店も国産のバラに切り替えてきた。大変良い傾向だと思っていたが、その後の品質保持の管理体制までしっかりとチェックする必要がある。今年は梅雨入り前に30℃以上の高温になり、バラは一斉に咲いて価格が下がって梅雨に入った。値段はお手頃だが、病気の出やすい時期だ。

 バラについてはもっと花き業界で注意を払い、鉢物も切花もどういう風にすれば消費者に楽しんでもらえるか、失望させない為にも消費者に説明したり作業場を6S(※)する必要がある。消費者からすると、花のガクが落ちていて咲き気味のバラを買うこと。必ず栄養剤を使うこと。そして、店員さんに産地表示がなければ、どこ産のものか聞くこと。それしかない。
 流通上は、ベト病・ボトリチス等を温室の中、産地の集出荷場、卸・仲卸・小売店の作業場で絶対に出さないよう、生ごみ等を出さないよう清潔に保つこと。あとは温度管理だ。

 切花においては今、切り前が変わろうとしている。その花で一番エネルギーを使うのは咲くときだ。なので、少し咲いてから切った方が持ちが良い。昔、西洋人は咲いた花が好きと言われてきたが、日本人は蕾からやや咲き気味のところが好き、と現代は変わってきている。
 家で必ず長持ちするカーネーション人気の復活をどう捉えるか。トルコキキョウもユリも菊も失敗しない。絶えず失敗するリスクが高いのはバラだ。
 我々プロの流通業者にとって、暑くなって行くこれからの時期こそ万全の注意を払って行く決意であることを今週は皆さんにお伝えしたい。

(※)6S・・整理、整頓、清掃、清潔、作法、躾

投稿者 磯村信夫 : 2014年6月 9日 15:22

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