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2011年10月10日

日本の花き業界は大丈夫

欧州の大手銀行デクシアは事実上経営破たんした。花ではオランダの大手仲卸ブルーメックスが倒産し、イスラエルの農業会社で日本の全農の役割をしているカーメルブランドのアグレスコが倒産した。またオランダ政府は各種補助金を削減する方針だそうだ。なにやら日本の1997年、山一証券が倒産し、拓銀が破綻したあのようにならないと良いなと思うが、しばらく不安な日々が欧州、アフリカの花き業界でも続きそうである。そこに行くと、日本は震災後、新たな日本を作り出そうと、景気の厳しさは変わらないが、気持ちは前向きになってきている。誠実さに価値を置く仕事の仕方、生き様が法人、個人とも求められており、それが実行されてもいる。花の小売店では他の小売業同様、廃業するところも目立つが、後継者が引き継いで、先代とは違った店の経営をしている元気な小売店も多い。その意味で日本の花き業界は決して悲観的ではない。確かに仕入先や販売先が新しい時代を作るための選別がされてきているが、これも新しい時代の息吹と考えている。

先週の土曜日、花き生産が年々増えている長崎県にあるハウステンボスで「ガーデニングワールドカップ フラワーショー」が開催された。オーストラリアから出品したジム・フォガティ氏の庭が1位であったが、出品された作品はどれもレベルが大変高いものである。庭園は人の気配がその自然の中に息づいてなければならない。造形や色使いだけでなく、心地よさがどの作品も非常に高いレベルでパフォーマンスされている。日本ではこれだけの空間を手間隙かけて作りこみ、コンテストの形まで持っていくことのできる組織体はそうはない。ハウステンボスの場を経て、現代日本の庭園文化もさらに大きく発展することであろう。このレベルのものを評価し、見てみたいとハウステンボスへ駆けつける人が日本にはたくさんいるのである。もちろん近隣諸国からも来る。花も見栄の消費から本物の消費に完全に移ったとガーデニングワールドカップ フラワーショーを見てそう確信して帰ってきた。

投稿者 磯村信夫 : 2011年10月10日 00:00

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