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2012年5月21日

母の日も効果抜群、「試飾」

株式市況が9千円を割って大変なことになっている。実態経済の7、8ヶ月の先行指数だと言われているから下半期から良くなると思ったら、どうもそうではないらしい。どうすれば日本経済全体が良くなるのか、なかなか糸口が見つからないが、こういう世の中になっていると認識をして自分の商売を一生懸命やる以外に手はない。

業界により、クロックタイムは違うが、今の世の中はイノベーションが急速に個性を失いコモディティー化する世の中となっている。世界的な競争激化で液晶テレビを例に取れば、家電業界がどのくらいのスピードでイノベーションが値段しか差の付けようのないコモディティーの業界になっているかがわかるだろう。

大田花きのオフィスを見ると、つい3年前まではデルコンピュータばかりだったが、レノボ、LG、NEC、そして人によってはヒューレット・パッカードなどに代わっており、デルコンピュ-タの苦境が良くわかる。携帯電話業界もそうであろう。花き業界に目を転じると、黒物家電のIT家電よりずーとゆっくり時計が回っていることに気が付く。業界としては有難いが、進化を求める消費者は一緒だから、とにかく飽きられないようにしなければならない。

花き業界に5年ですっかりコモディティー化してしまう人気商品はない。その意味で商品価値が続くことになる。その分おっとりした人が多いのは花き業界の特徴だ。こう云うじれったさがある。花小売会社の蓑口社長がイノベーションした「試飾」は本人がもっと皆に使って欲しいと希望しているが、まだまだ少数で潮流までいっていない。そこで今回の母の日用にとその前に全店舗で「試飾」を大々的に行った結果を聞いているのでお知らせしたい。
「試飾」は、'試食'と同じように、店の前を通った人に花を一本でも渡し、「飾ってみて下さい、『試飾』です」と言って渡すのだ。日頃、花を買う習慣のない若い人やご年配の男性などとにかく普段花を買わない人に渡す。母の日だから若い人からお子さんに事前に渡した。そうしたらなんと店の売上げは昨年を50%以上も上回る店舗もあり、一昨年を上回る店が多かった。景気調査によると今年の内需関連の商売は前年比で上回っても、2010年比を上回らないところが多い。ところが、「試飾」は効果抜群、お店は絶好調。渡す人が信じて行えば必ずお客さんが増える。

今まで蓑口社長のお店は普段から花を買ってくれる高齢者のお客さんを大事にしていた。しかし、これは当然なこと。「お客さんを増やすこと。そうしなければ店は続かない」こう言うのだ。「試飾」をして売上げを伸ばそう。「試飾」をして新しいお客さんに来ていただこう。どうもお花屋さんは同業者が行っている成功例をウォッチして早速取り入れる努力をしないので困る。物の競争はグローバリゼーションでクロックタイムが速くなり、コモディティー化するので、宜しくないが普及も速い。製造業といっても農業の花は生き物でそう簡単には作れない。「試飾」イノベーションは発明者である蓑口社長が「真似して下さい、そうすればもっと売れるようになって荷主さんを儲けさせることが出来るようになる」と言ってくれている。必ず効果ある「試飾」、是非とも花を買いそうもない人、買ったことのない人に小売店は「試飾」を試してもらいたい。全国のお花屋さん、お願いします。

投稿者 磯村信夫 : 2012年5月21日 10:50

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