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2012年11月19日

寒くなりましたが、"灰色カビ病"注意!

 昨日の日曜日、読み終えた本が田中修先生の「植物はすごい(中公新書)」その中に、桜の葉が落ち、水気を含んだ時に桜餅のあの葉の香りを出すというので、平和島界隈の桜の名所をジョギングした。平和の森公園に弓道場があるが、そこの裏手にある桜並木の所は土曜日の夕方、大嵐だったので葉が堆積し、まさに桜餅の香りが漂っていた。

 桜の葉は人間にとっては良い香りだが、虫などには嫌な臭いを出して寄せ付けず、自分自身は肥やしとなり、桜を長生きさせようとしている。まさしく世の中には無駄はないと思いながらジョギングを楽しんだ。

 今、大田花きではクレーム時の病虫害について調査機関へお願いし、特定化してもらっている。その調査結果を元にいつどこで発生したかが病原菌の大きさでわかるので、産地や輸送会社に連絡し病気の予防に努めたいと思っている。

 この上半期の調査によると、市場クレームの病気の80%が灰色カビ病(ボトリチス)であった。品目でいうと、多い順にバラ・トルコギキョウ・カーネーション・リンドウ・ガーベラ・ヒペリカムである。なんとバラ・トルコギキョウだけで50%を占めている。灰色カビ病の発生し易い温度は、私たちの業界において使われるショーケース内の温度帯の8~15℃でも繁殖し、4~30℃までの間は繁殖が止むということがない温度だそうだ。これは大変なことであり、花き業界は灰色カビ病と一緒に作業をしているということである。

 生産者の温室、作業場やストッカー、農協の集出荷施設、輸送中のトラックの荷台、卸売市場、仲卸の店頭やストッカー、花束加工場、小売店の店頭やストッカー等、言い出したらキリがない。市場で灰色カビ病を見つけたら早速何かしらの策を考える必要がある。委託品なので実際は廃棄というわけにはいかないので、こういうリスクがありますというように、灰色カビ病の花を購入するお花屋さんにも知らせなければならない。

 今、花束加工業の活躍でスーパーマーケットで花を購入することが一般的になってきた。食品売り場で灰色カビ病が付いた花を売るわけにはいかないので、花束加工の段階で差し止めなければならない。

 寒くなってきたが油断せずに灰色カビ病のチェックをしていきたいと思う次第である。

投稿者 磯村信夫 : 2012年11月19日 12:05

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