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2014年12月22日

成熟社会の仕事のやり方をする

 今年も、今日を入れて月曜日はあと2回となったので、花き業界の1年の反省を、弊社 大田花きの企業活動も含め述べていきたい。一昨年の12月に安倍政権が誕生して、3月までの間はアベノミクスで花き業界の逆風は無くなり、無風状態となった。関東地方の降雪や油高で、花き業界は逆風を受けたが販売は好調になり、全体としては的確に仕事をした人はそれなりの実績が出た。しかし、今までと変わらないやり方の企業体は時代に流されるという結果となった。年度が新しくなり、4月からの増税で花き業界にはアゲインストの風が吹いた。特にパパママストアの小売店は、せっかく財務省が外税方式を期限付きで認めたのに消費者に転嫁が出来なかったのも一因で、価格が下がった。そして、4月から9月までは、花き市場全体では前年比95%、予算未達の月が続いた。この間、特に目立った傾向が、3、40歳代の消費者の気持ちを上手く捉えることが出来ず、相変わらず60歳以上の方々に花を買ってもらっているという事実である。これでは先行きが危ないと、国会の与野党の先生方にフラワー産業議連を立ち上げて頂き、法律として2014年12月1日から花き振興法が施行された。そうしたら、12月15日過ぎになってようやく陽の光が見えて来た。

 売るに天候、作るに天候で、花き業界は機会を捉えて販売してきた。1日、15日の仏花と榊が必要になる時に、他の切花・鉢物も一緒に販売してきた。このように、需要の機会を捉えて成長してきた花き業界。あるいは、季節の物日需要に合わせて成長してきた花き業界及び弊社 大田花きであったが、日本社会が成熟社会になると共に、この花き業界や大田花きの在り方では、成長はおろか、現状すら維持出来なくなっている。では、どうすれば良いか。一般論として、各社は自らが大切にする価値観を前面に出し、品物やサービスを創造して、具体的に世に問うことだ。日本のアパレル小売企業でいえば、ユニクロやBEAMS、UNITED ARROWS LTD.等の価値創造型の企業でないと、また、業界でないと成長出来ないことを、消費税増税によるアゲインストの風を受けてしみじみと痛感した。

 2014年12月の現時点では自公が衆院選で大勝し、地方創生まで含め、アベノミクスに対する期待があり、花き業界はアゲインストが止んだ。しかし、これからもフォローの風は吹かないと思う。他力では花の需要は作れないと思って、日本の食品流通業界、自動車業界等の価値の出し方を参考に、花き業界は自社のサプライチェーンにより創造した価値を前面に押し出して提案し、取引先や消費者に受け入れて頂けるようにしたい。弊社 大田花きでは「モノとコト」、この2つで価値を創造したり、お取引先の問題のソリューションをすることによってお役立ちしていきたいと思う。

 花き業界それぞれの企業が創造する「質」を、消費者や取引先に受け入れてもらおう。そういう価値を提供する業界でないと、花き業界は成熟期を迎えることなく、成長期から衰退してしまう可能性があることが分かったのが今年である。だから、弊社 大田花きは先頭に立って必ずやるのだ。可能性のある花き業界をこのまましぼませてなるものか。

投稿者 磯村信夫 : 2014年12月22日 16:48

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