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2005年3月21日

「2005年は輸入花との棲み分け元年」

  お墓参りに行っていまさらのようにストックやスナップなどの季節の花が素晴らしいと感じる。お墓には随分といろいろな花が使われるようになったが、キクとカーネーションはやはり主流だ。この2つがあって初めて他の花との取り合わせがうまくいく。今年はキンセンカの切り目が堅すぎて、お墓でも今ひとつ独特な色彩が出ておらず残念だった。来期は早目に営業活動をしないと需要が一割減りそうだ。

 さて、産地からお客様がいらした折、この頃よく話題になるのが輸入花についてだ。たくさん入ってきて単価が安くなってしまう。こういう嘆きを聞くことが多い。小欄でも以前お話した通り、私ども大田花きでは2010年までにキク・バラ・カーネーションの主品目はどんなことをしても国産比率50%を割らないようにしようと役員会で決議し、会社をあげてそのための施策を実行している。一番困るのは産地によって腰が引けてしまい、言うなれば敵前逃亡でその座をすっかり輸入品に取られることもあるということで、カーネーションの局部戦線で起こってしまったことがある。国産・外国産と闘い方はいろいろあり、産地によって強味を生かしてもらえるような方向でこちらからお願いしているが、現に国内産地でもマーケティングをして物心両面で特定関係を結んだところなどでは2002年から単価が上回ってきている産地も出てきた。

人は殆ど説得されない。聞いて頭で分かっていても行動に移さない。思っていることをこちらからアドバイスをした時、やはりそうであったかと改善行動が始まる。やらなければ始まらないわけだから、まず自らが自分の強味を認識し、特に海外の産地と闘う手立てを少なくともイメージしておいてもらわないと話で終わってしまう。2005年は行動の年にしようではないか。

ここ暫く花の生産は減っても単価が上がるということはないだろう。生産が減れば輸入が増える。それは昨年の10月の台風ですっかりみんながわかってしまった。そして中産階級が崩壊しつつあるから、質を妥協してでも安い方がいいという人たちが増えてきた。これは花でも同じだ。

買い手の変化を考えて輸入品や日本国内のライバル産地と比べたりしたとき、自分はどこが優れているか、余人に代えがたい物は何かなどをよく検討しておいて、それを以って集中する。そして競争し、棲み分けていく。2005年私たちは日頃の商売の中で、産地に存続の自信を確かなものにしてもらうべく、全力を尽くそうと考えている。それは特定関係のサプライチェーンマネジメントを生み出すことだ。2005年、一緒にやりましょう。

投稿者 磯村信夫 : 2005年3月21日 18:39

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