大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 産地との話題は「手数料自由化」 | トップ | 自然の心地よさ »

2006年2月13日

第55回関東東海花の展覧会

 2月5日(日)ドイツのエッセンで開催されたIPM2006国際園芸専門見本市を見学した。「より自然に」と“Upside down”が今年のデザイン傾向のテーマで、IPMは他の国際展示会に比べ、フラワーデザインや関連資材の今年の傾向を知る上でまたとないチャンスである。真冬の展示会だから、北欧を含め、ヨーロッパアルプス周辺の国々では寒さが厳しいので、造花の比率が高くなる。従って寒さに強い植木や造花などが多い展示が特徴となっている。
ドイツは失業率10%以上で、経済復興の目途がなかなか立ちにくい。そのように経済的に喘ぐ中での展示会となった。花の専門店やデザイナーのところまで株高の影響が回らず、やや苦しんでいる感じもしないではないが、そんなときにこそ花の魅力をと積極的に提案していた。フラワーデザイナーたちのブースで面白いと目に付いたのはカーネーションで、種苗会社の展示では殆ど使われていなかった一方、デザイナーの展示には結構使われていたということだ。ドイツとアメリカ、日本とでフラワーデザインの教材・花材としてカーネーションが使われているということは、次の世代にも繋がると嬉しく思った。

さて、2月11日(土)には池袋のサンシャインシティで開催されていた第55回関東東海花の展覧会を見に行った。今年の主催は茨城県が当番で、素晴らしい生産者の出品物とフラワーデザインの数々が展示されていた。
今年の展示物を「恐る恐る見に行った」と言うのが私の正直な心情だった。天候不順、原油高、12月の市況の悪さなど、生産者は混沌とでも言っていいくらいやる気をそがれ、将来の見通しが立たずにいる人も決して少なくないと聞いていたからだ。
しかし、実際に行って目を見張るばかりの品質に感激するとともに、何か希望のようなものを感じた。日本の花き業界は捨てたものではない。今後も益々発展する。「人は希望と共に若く、勇気とともに輝く。」誰が言ったか忘れたが、このフレーズが自然と出てきた。関東東海花の展覧会ももう55回。それほど回を重ね、その品質の素晴らしさ、まさに本物はこれだという物を広く一般の消費者に見てもらいたい。少なくともプロの花き関係者には見てもらいたいと思った。IPMより数段素晴らしい品々を見て、足も軽やかに帰路に着いた。

投稿者 磯村信夫 : 2006年2月13日 17:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.