大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 親しい人たち、家族の絆 | トップ | 2009年以降へ向けてのルール作り »

2007年2月 5日

規制緩和の理由

 政府の規制改革会議は毎週300程の案件を俎上に乗せている。
皆さんはウィンブルドン現象と言うのをご存知だろうか。ウィンブルドンではイギリス人以外の人たちが活躍しているが、それを運営し世界に発信しているのはイギリスの人たちだ。すなわちプレイヤーは違うがイギリスが稼いでいるのである。この規制緩和に伴うウィンブルドン現象がもうかれこれ10年以上もイギリスの経済成長に貢献している。前年よりも絶えず伸びているのである。このウィンブルドン現象は中国の経済成長の一因でもある。外資や合弁を入れ、成長してきているのだ。とすると、少子高齢化で生産人口が減るとされる日本において、どのように国力を保ち発展させていくか。

その答えの一つが外国のプレイヤーたちが日本に投資を入れてくれることだ。そしてもう一つは、日本の工業の物つくりの力は国際競争力が高い。他に我々市場のサービス業や農業の生産性は韓国よりも劣るとされているが、この生産性をあげていくことだ。この2つを行うことによって移民を促したりしなくてもやっていける。このように政府は考えているわけだ。だから海外からの投資が得られるよう、国際的なルールに則った透明感のある会社の財務諸表やJ-SOX法による内部統制、そして外資による三角合併などのルール化を急いでいるし、花の卸売会社の手数料自由化の問題なども話し合われている。いずれも参入障壁を低くし、利便性を高めようとするものだ。確かに日本のインターネット網や現在行なわれている携帯電話競争はカスタマーベネフィットをもたらし、生活の質を高めるものである。規制改革は優勝劣敗となり、並行してセーフティーネットを作るためには税負担が必要となる。企業が税負担するのか、個人が税負担するのか、それはチョムスキーが言っているように、企業は国際人であり、ケイマン島などに握らされてはたまらないから、個人負担するという構造が良いであろう。

友人のドイツ人から電話があって、日本の花が花束にしてもアレンジメントにしても同じ5%の消費税であることにビックリしていた。形状によって、付加価値によって、税が異なるのが嗜好品の花では当たり前なのに、その点だけを見ると日本の花き業界は恵まれている。

投稿者 磯村信夫 : 2007年2月 5日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.