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2008年3月24日

相場ばらつく?その影にやる気と仕組の問題あり

今年の春彼岸の相場展開を見ると、もう一度足下をしっかり見つめなおし、確実に仕事を行なっていかないと消費者が満足する品揃えができなくなる。これではいけないからもう一度やるべきことは何かを明確にしたいと思う。

いつも言っている通り、花は三気商売で、まず天気、ついで景気の影響で収入が大きく変わってくる。花の事業を発展させるにはやる気が必要で、むずかしい時代が続けば続くほど、収入に影響してくる。これが花は三気商売と言われる所以だ。

今年の2月は寒かったので開花が遅れた。3月17日月曜日は彼岸の入りで小売店は仕入の日ではなく、販売の日。店が忙しいのだ。その日に一番荷が多かった。これでは相場がたまらない。商人だから小売店は荷を前から揃えておくべきなのに、入りの日に荷が多いのでは価格は下がるに決まっている。だから価格は下がった。このような市場がこの3月中旬、日本中各所に見られた。

今、花市場ではせり取引よりもせり前取引が多くなっている。相対取引やインターネットを使った取引、そして買付などそれぞれの卸売会社は会社のポリシーに沿ってせり前取引、せり取引を行なっている。卸間の競争や仲卸と卸の競争が年々激化している。とある卸は他社に売り込まれる前に売り込めとばかり、全ての買い手にせり前にインターネット取引をしている会社もある。ここ大田花きでは取引所の運営を最も大切な業務だと考えているから、まず取引所の上場量を確保し、それ以外をせり前取引などで相対売りをする。この仕事はホールセールビジネスと言っても良い。場を通さない、世間一般で言う「市場外流通取引」だ。

新しい商業地が出来るなどして人の流れの変化とともに売り上げを落としている街の小売店は多い。商売がうまくいかないと自信を失う。生産地も同様だ。だから肝心のやる気が失せていくのだ。やる気が失せるとPDCAを回すことができなくなり、これが3月下旬の今の花き業界の現状だ。

やらなければならないのは自社が係わるサプライチェーンを取引先の小売店のお客様のバリューチェーンにすること。これが今花き業界が取り組むことだ。何も難しいことではない。原産地表示や誰が作ったというスーパーでは当たり前になっている写真や表示での販売、物日や人生の通過儀式に合わせた儀式の新しい花の提案など、やるべきことは具体的に挙がっている。未来を予測するために過去があるのであって、あるいは未来をより良く生きるために過去があるのであって、諦めるために過去があるわけではない。医者は原因ばかり根掘り葉掘り聞くだろうか。原因などは問わずまず治るためのベストに向かって処方し、処置をし、患者に養生を求める。何も花き業界は病気ではないが、前年を下回る取扱金額や利益だった場合、いかなる仕事も消費者、取引先に役立ててもらうためにあるのだから、それをカイゼンし、実行していくことが必要だ。生産者と消費者は油高、経費高でそれぞれ大変である。その中で花を楽しんでもらえるよう我々は段取りせねばならない。花のハイシーズン、いよいよ到来。こういうときこそ仕事にやりがいがあろうというものである。

投稿者 磯村信夫 : 2008年3月24日 00:00

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