大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 国内消費をどうするか供給を考える | トップ | 大田花きの株主総会 »

2008年6月16日

安値の原因調査

昨日は京橋と日本橋では日枝神社のお祭りがあり、銀座通りは久しぶりに日本の伝統の香りがした。前日、「築地魚河岸三代目」の映画を見たところだったので、時間軸が大変長くなってしまって、昨日の目的である次なる仮説の検証に思考回路がなかなか働かなかった。その仮説というのは、4月から菊類が安い。特に仏様の花の売れ行きが鈍っているという。その理由に後期高齢者の健康保険問題がある。負担がいくらになるのか。年金生活者だけでなく、現役で働いていらっしゃる中小企業のオーナーも不安で消費が鈍っているのではないか。これが花の価格が安い理由ではないか。もう一つの原因は昨年秋から、特に昨年末から今年になって、40歳代、50歳代の子どもや各種ローンにお金のかかる世代の支出が、旅行などを中心に急速にしぼんでいる。それでそれが実際花にもあらわれているのではないか。60歳を中心とした人たちは花をコンスタントにいつも通り買っているが、しかし40歳代、50歳代が買い渋っているのではないか。それが花の相場の下げにつながっているのではないか。

昨日、新橋から日本橋、八重洲、丸の内と半日かけて探索をした。私が想像していたよりも実際ものを買っていない。花ももちろんだが、衣料品から化粧品、爪、あらゆるものが色とデザインにこだわって個性を打ち出している。多様化で、靴にしてもとんがっている靴、丸い靴も並んでいる。ミュールも、夏だから当然サンダルもある。しかし今ひとつ消費に結び付いていない。今買わなければならない今後流行する形は多様化でそれと似たようなものをもう持っている。一消費者として、そのようにあらゆるものが私の目には映る。プランタンの花売り場や銀座三越の食器売り場、生活雑貨売り場なども同様、この花のあしらいは斬新だと感じても、今ここで買わなければ後悔するという気を起こさせる品物が少ない。もちろん努力している。しかし店頭売りという一分野での話だが、花もさらに形と色にこだわっていかないといけないと思うが、しかしどの店がそれを引っ張って行ってくれるのかが、特に40歳代、50歳代にとって大切である。40歳代、50歳代の消費手控えが花き業界の相場の安値につながっているのか、70歳代の仏様の花が菊類の安値、そして菊は三分の一を占めているからそれが全体の価格安へつながっているのか。昨日の時点では明らかに40歳代、50歳代の消費の手控えが相場安の原因となっていると判断した。

帰りに池上の母のところに寄り、歩いて自宅まで帰る道すがら、本門寺で仏様の花を見たが、本門寺のように由緒あるお寺のお墓は墓石が縦長だから伝統的な仏花が似合うが、しかし供えてある花を見ると、スプレー菊を中心に供えているところ、菊を大切に入れているところ、菊をまるっきり使わないところもあり、ここでも多様化がすすんでいる。花店では70歳代の仏様用の花も多様性をもって作っていくことが必要だと思う。

最後に店売りの売れ具合は天気が第一だと言うことをお忘れなく。次に景気なので、景気の花き業界に対する影響は、足元ではこのような形になっています。天気が続けば消費は活発化する。これが花の一つの特性だと思う。

投稿者 磯村信夫 : 2008年6月16日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.