大田花き 大田花きコーポレートサイトへ
 

« 話題二つ | トップ | 研修 »

2010年10月 4日

競争激化 仲卸・小売店

10月に入り下半期のスタートを切った。2008年、2009年と生産者と市場は単価安で利益が大幅に減ったが、再販業者である仲卸や小売店は、卸価格の下落幅ほど小売価格が下がらなかったため利益確保が出来ていた。売れ行きは鈍ったものの、利益に関して言えば、むしろ2007年よりも良かった会社があったほどだ。ところが昨年の年末から少しずつ荷が不足するようになって、とりわけ2010年には荷が足りない状況が続いている。作付面積を減らしたり、出費を減らすために遠隔地に出荷せず運賃を節約したり、運賃が割安な拠点的な市場に荷を集めたり、どうにかして手取りを増やそうとしている花き生産者は多い。

中小の市場は前年並みの売上が確保できず、荷が豊富な市場から仕入れ、セリと買い付けをすることによって売上と利益を前年並みに保つこととなった。仲卸、花束加工業者、小売店は依然として消費者の下げ圧力が衰えることなく続いているので、卸売価格は人的要因と天候によって上がってきている中で、利益が出しづらい状況になっている。まして、ここのところの23区内のスーパーの開店ラッシュは目を見張るほどで、まさに最終段階に来たのではないかと思うほどスーパー内の競争は激烈になっている。そこで花が取り扱われるわけだから、当然近隣の小売店には影響が出る。猛暑で夏場、成績の良い花店で前年比95%で、利益はマイナス30%くらいだと聞くが、それでなくても体力を落としている小売店にとって今のスーパー戦争は脅威でもある。どのように自店の特徴を出して、しっかり消費者に認知してもらうか。今そこに神経を集中させて店作りをしていく必要がある。

日本の花店は花キューピッドやフラワーシップなどの花の通信協会が日本の花店のレベルを上げた。だからこんなにすばらしい花店が日本にはたくさんある。その都市部の花店が今危機にさらされようとしているのだ。地方では優勝劣敗が済んで、すでに残るべき花店が残った。今、政令指定都市の人口密集地域で専門店とスーパーの花売場で直接の競争が起きている。お手軽なパーソナルギフトから、花を良く知る団塊の世代・団塊ジュニアから、格好いいと認められた地域専門店が頑張るときなのである。

投稿者 磯村信夫 : 2010年10月 4日 00:00

Copyright(C) Ota Floriculture Auction Co.,Ltd.