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2010年12月 6日

ポスト成長マーケットの花売場

4日の土曜日、松と千両の出来を見に行ったら、昨年よりも良いので一安心。南天の実は悪いと言うし、クマが里に降りてきて悪さをしたと聞くので成りものは不作かと心配していたが、千両は実付きがまぁまぁなので良いお正月が迎えられそうだ。

第48週、第49週とここのところに来て、花も青果物も潤沢に出回るようになって、高値から平常相場に戻ってきた。平常相場に戻って量が出てくると、売れる店舗と売れなくなってきた店舗がはっきりしているのがわかる。大手企業のボーナスは先週出たところが多いから、今朝せり場で会うと「よく売れた」と言う小売店もあれば、「どうもパッとしない」と言っているお店もある。

リーマンショック以来、ここ2年で更にお客さんが集まる店と今までより売れなくなった店とはっきりしてきた。駅中だとか駅周辺という立地条件は小売業だからもちろんあるが、それだけではないというのが小生の観察だ。日本はポスト成長市場である。年寄りが増えているから、病院や介護、アンチエイジングのサプリメントなどのマーケットは拡大する。しかし16歳から64歳までの生産年齢の人たちが減っている。この年代は物入り世代だから、活発に消費する。この年代の人たちの人口が少なくなって、ほとんどの業界は右肩下がりになっている。G7の国々はポスト成長市場で、イノベーションが起きにくく、商品の差もちょっとした差で関心のある人以外はどれもが同じに見えて選ぶのも煩わしくなってしまう。でもそうは言っても人は消費をするわけだから、フェアーのときに買う。花屋さんでも集客力のある店は選択と集中でフェアーを積極的に開催している小売会社である。

だがフェアーだけで売れているわけではない。そのお店のファンになっているのは、そのお店の理念、ポリシーが前面に打ち出されていて、商品や店員の働く姿勢にそれが現れているお店がお客様から「人生意気に感ず」で支持を集めているのだ。食品スーパーの出店が都市部を中心に盛んに行われている。総合スーパーもコンビニよりも少し大きい食品スーパーを出店してきている。そこで花束が売られていることが多い。花の小売店の競争もますます激しくなってくるが、花の商いを通じて何を実現したいのか、その哲学とフェアーを行う企画力が選ばれる花店の条件になっている。このことをまだ若いBe We Flower'Sの佐藤社長から私は学んだ。

投稿者 磯村信夫 : 2010年12月 6日 00:00

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