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2012年9月10日

経営環境の厳しい中で

 先週会議と会議の間の時間がたっぷりあったので新宿伊勢丹に行ったが、今年はまだまだ暑く企画中の秋物が動いていなかった。その前の週、妹が日本橋の高島屋のお買い得会へ行った際も秋物は動いていなかったそうだ。
花き市場では、今日までにこの暑い天候の影響をもろに受けるが、明日から敬老の日・3連休の結婚式・お彼岸のお参りの花の需要期突入となる。今年は暑さと干ばつで高冷地の出来が良くないから本数ベースで5%減、規格が下のものが多いから箱ベースでは10%以上少ないと思われる。暑くて早めの手当てがしづらいが、定温庫があるところは早めに手配をして欲しい。
 さて、この夏消費税が上がることが決定したが、それを受けて取引先の財務体質をチェックする動きがでてきた。過去に消費税を導入し、また3%から5%に上がった時、大型の買い物の駆け込み需要とその後の消費不振で財務基盤が弱い事業所は資金が回らず多数倒産した経験からだ。世界で最も人口が密集している千葉・埼玉・東京・神奈川の首都圏では、東京の中央卸売市場花き部がいずれも県境にあり首都圏に花を供給している。その中央市場の売上で2006年を100とした時、3.11があった2011年は、平均値で86.3であった。約15%近くも売上が下がると、当然に損益分岐点を割り込んだり、リストラが後手に回ると健全な財務体質が維持出来なくなる。東京の中央卸売市場の花き部の卸でさえもこのような状況だから、仲卸も小売店ももちろん生産者もお互いに与信をチェックしていく必要がある。
 第9次卸売市場整備計画の方針が策定された2009年、卸売市場法においていくつかの法改正をお願いしていたが、政権交代劇があり結局は見送りとなってしまった。財務に関わる問題として今後とも法改正を呼びかけたいのは、卸売会社は委託物品の販売代金に手をつけてはならない。これは荷主さんからの預かり物である。これをキチッと確保し自己資金で、買い付けなり、他の事に資金を使う。即ち株式でいうところの自己売買にはお客さんからの預かり資金に手を付けてはならないという証券会社などが規定されている法律を適用する必要があると思っている。
今まで何回か花き市場の倒産があって委託出荷した代金がとれないということがあった。これを防止する為、万が一その花き市場が倒産したとしても返済優先順位が高いところに委託品の代金がなければならない。そう考えている。2015年の10月に消費税が10%になる。2014年には8%に上がり、2014-2016年の3年間で商売として厳しいものがあると想定しておくべきだろう。ましてヨーロッパ発の世界不況は回復していない。既にこの夏はじまった財務チェックで各社財務の健全性を一義に考え心して経営に当たっていきたい。

投稿者 磯村信夫 : 2012年9月10日 13:17

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