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2013年8月 5日

観光では地元のものを賞味してもらう

 僕が良く行くところがそうなのかわからないが、夏休みになってから外国の人や地方の人が東京に沢山来ているように思う。

 昨日も用事があり新宿伊勢丹に行ったが、本当に外国の人や地方の富裕層が多く、本物のデパートとは、買回り品を求める「お買い場」であることを感じさせる。
 店員は親切で商品のことを良く知っており、プロ意識の高さはさすがで、海外からわざわざ伊勢丹を目的に来日することが少なくない、というデパートである。
 デパートという業態をここまで追求している会社はそうはない。ここで購入したものは損した気がしないし、損をさせない価値と価格のバランスがある。

 話は変わるが、毎夏個人的に何か思い出に残ることをしている。この夏は、国立博物館を徹底的に見て回ろうと火・木に通っている。
 今までルーヴルやエルミタージュ、オランダのアムステルダムの2つの美術館、台北の故宮博物院など、一週間そこに滞在して作品の数々を鑑賞することを夏に行ってきた。
 天気や鑑賞時間による光の明暗、見るこちらのコンディションによって見え方が違うので、大きな博物館や美術館は続けて通わないとどうしても見損なってしまう。
 そのような理由で、今年の夏は国立博物館に通っているのだが、ここでも以前より外国の方が多く感じる。
 今、縄文土器の特集が開催されているが、決して太古のものというわけではなく、身近で伝統が今の日本人に繋がっていることが良く分かる。

 自宅と会社の間を行き来しているばかりだと、グローバリゼーションの実態がよく分からないが、秋葉原に行けばロシア人が増えたことが分かり、伊勢丹に行けばアジアの富裕層が来ているのも分かる。博物館にはフランス人を始め、ヨーロッパ人とアメリカ人たちが夫婦で来ているのが分かる。

 私たち花き業界人は日本の消費者に購入してもらうのでどうしても内向きだが、観光という視点からみると、世界から日本に来てもらい、日本食と国産の花でおもてなしをしたいと考える。観光=国産化、或いは地域化であることを観光の国際化の中で思う次第である。
 
 観光するということは、その地域の文化と食、花でおもてなしを受けたいものである。すなわち、私たちの誰もがその他のローカルなものでおもてなしを受けることが観光の醍醐味なので、"グローカル"ということが観光のキーワードになっている。
 このキーワードは花の生産ということに繋がる。小さい単位では、そこの町村、少し広げて県、更に広げて地方、もっと広げて日本産、ここまではグローカルの中で観光に来た中で許される範囲だ。
 しかし、伊勢丹のように百貨店の世界の雄を目指し、プロとして世界から良いものを選ぶとなると日本への観光とは違い、外国産のものも許されるということだ。
 外国人や地方からいらっしゃった方々へのおもてなしとしての結論は、地元の特産物があれば最高だ。B級グルメでも良い。
 
 しかし、何もなくてもおもてなしの心があれば、それさえあれば工夫が必ず出てきて、そのパフォーマンスが観光の資源として成り立つのではないかと思う。
 何もなければ人と智恵の心で勝負だ。

投稿者 磯村信夫 : 2013年8月 5日 15:18

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