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2015年4月 6日

買参人の偏りを示す今週の相場

 今日から相場が一、二割安くなった。これは、特別な需要が入学式しか無くなったからで、例年通りである。4月8日のお釈迦様の誕生日、花祭りが終わると、すっかり雪解けのように相場も緩んでくる。しかし、今年は春の嵐のごとき暴落市況は無いと読んでいる。もちろん、作るに天候売るに天候で花は天気商売ゆえ、悪いことが重なれば暴落もあるだろう。

 今年は曇天続きが作柄に影響している。しかも、作付けが前年より少ない。従って、デザイン力で価値を感じてもらうこと、また、日持ちの良さで割安に感じてもらうこと。この二つを前面に出すことで、消費者の心を捉えてリピーターを作り出していく。このことが、本年度作付けが増えない花きの出荷状況の中で、我々が小売店にお願いすることである。

 "疾風に勁草を知る"と言うが、今まで専門店中心の花き小売業界であった時には、日本中の市場の相場の出方も、池に石を投げた時のような波紋の状況だった。しかし、今日では、相対的に専門店の販売力が衰え、スーパーの花売場やホームセンターの売場、あるいは、インターネットサイトでの売場の力が増したことで、市場間で相場のバラつきが出ている。弱り目に祟り目の相場下落時の今週、専門店の市場と言われる市場の相場はバランスを逸し、崩れる傾向にある。花束の店頭売価は一緒だが、安くなった分本数を入れられるスーパーの花束売場は、売り先が極端に鈍るということはない。ガーデニング素材を買いに行くホームセンターも、苗物・鉢物、切花とも、荷動きはそれなりに活発だ。インターネットでは週末に向け様々な需要を取っているし、早い所では、コンビニのカタログ販売と同様、母の日の注文をとっている。そういう受注活動が活発な中、ついで買いのものも売れている。こういった消費実態を反映した買参人のバランスが、卸売市場には必要なのである。

 産地や買参人は、自分が取引している卸売市場のサプライチェーンを良く知る必要がある。今までは、ただ単に相場が高いとか安いとか言っていたが、それでは駄目で、消費者までお届けする、買って頂く。その為には、花の種類や規格、鮮度保持の仕方を責任を持って行い、売れる店づくりを卸・仲卸、産地はお手伝いしなければならない。また、 鮮度保持流通について、国は"国産花きイノベーション事業"で物心とにも援助をしてくれている。売ってお終いではなく、消費者にお届けすること、リピーターになってもらうこと、これを各花き業者の共通の目標にして、花きを流通させる必要がある。また、花き市場では、自社を利用する小売チャネルに偏りがあるようであればバランスを整え、専門店50~60:量販、ホームセンター、カタログ・インターネット販売40~50になるよう努力すべきである。それが相場の安定を促し、生産者に安心して作ってもらえるのである。

投稿者 磯村信夫 : 2015年4月 6日 16:28

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