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2016年2月 8日

量が少なくても高値で総額を補える時代ではない

 本日は旧正月。インバウンドでアジアの方が宿泊されるホテル等には、花が綺麗に飾られている。また、切花だけでなく、三本立の胡蝶蘭がお出迎えしている所もあり、華やかな空間を演出している。ベトナムでは花桃を飾るそうだが、アジアでは中国のネコヤナギやキンカン、そして、シンビジュームの鉢ものにしても、人々の暮らしの中には花文化の伝統が続いている。

 昨年の11月から、花の消費は冠婚葬祭の花と1日、15日の仏花が全体の相場を引き上げる要因ではなくなってきた。花の小売店では、20世紀に活躍していたディスカウンターが殆ど存在しないので、豊作の時に的確に家庭に花を届けてくれる役割の店が本当に少なくなっている。消費者の花のお買い場は、スーパーマーケットやホームセンターが存在感を増し、消費者の期待に応えて花売り場も充実しつつある。専門店の分野においては、駅ナカ、駅周辺の店舗が依然として消費をけん引しており、商店街の仏花中心の店、あるいは、仕事花中心の花屋さんと明暗を分けている。そこで考えなければならないのは、仏花や冠婚葬祭の需要は大切だが、今の生活者のライフスタイルからして、今後しばらくは伸びが期待出来ない。現在の業者間の競争から、確実に業者数の調整、総需要の減少があると考えるべきである。そうなると、立地条件に恵まれない花会社は、外に営業に行く、JFTD花キューピッドに参加する、インターネットでの需要の掘り起こしをする必要がある。

 先週、東京では(一社)JFTD主催の『フラワードリーム2016』が東京ビックサイトで、また、『テーブルウェア・フェスティバル2016』が東京ドームで開催された。いずれも花の素晴らしさを訴え、消費拡大に役立っていくことだろう。このような、社団法人やNFD等の公益法人活動、あるいは、各県の振興協議会の花育活動等で、伝統文化の需要だけではなく、花の効用として、花は心の栄養に欠かせないものであることを知らしめることにより、健全な花き産業の発展を期する。こう実際に行っていくことが必要である。また、生産地においては、需要に合わせた品目・品種の見直しも欠かせない。即ち、「価値=メリット-コスト」の法則通りで、メリットをお知らせすることが必要なのだ。
 
 去年の8月のお盆の菊の高値を最後に、新しい枠組みの時代に入っているのである。

投稿者 磯村信夫 : 2016年2月 8日 15:08

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