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2010年12月21日
vol.80 JAわかやま 興里農場 バラ ~和歌山県産地シリーズ~ 後編
和歌山県シリーズ後編は、JAわかやま興里(こうさと)農場からです。
こちらはJAわかやまのバラがセリで販売される様子です。
(QUEEN ROSEと記載されているピンクの縦箱がそれです)
まずは大田花きの担当者にインタビュー!
大田花きでバラ販売歴5年の担当者に聞いてみました。
興里農場のバラはどうですか?
「いや~、すごいよ!
あんなすごいバラ見たことないナイ。
大田花きのバラの中でも屈指の優良産地さんだよね。
トンカチのように丈夫でありながらホントに美しく咲くし、スタンダードだけでなく、スプレーの輪付きもすんごくいいのよね。
どうしたらこんなに立派なバラができるのかな。
特異なまでに豪華なバラは、一体どんなところからやってくるのか、ちょっとウン探で見てきて!」
('◇')ゞ ラジャ!
美しく乱れる興里農場のバラの謎に迫るため、大田花きバラ担当者から指令を受けJAわかやま興里農場へ潜入!
ウンチク探検隊、いざ出陣!タッタラーー♪
秘密の潜入です・・・といいつつ、正面からこんにちは~!
って全然秘密の潜入になっていない^_^;
ぬぬッ!Σ(゚д゚;) !?
な、なんとこれが噂の“トンカチバラ”ですね。
確かに茎もしっかりしています。
そしてあれもこれも、“今日中に出荷しなくてはいけないのではないか??”とこちらが心配するくらい大きく色付いたバラばかりです。
こちらは25年前から驚愕のバラ生産を手掛ける中村さん。
バラ作りのきっかけはなんだったのでしょうか。
「トマトを作っていたんやけどね、トマトの裏作として花を始めたんよ。その時はアルストロメリアとか、アネモネ、スイートピー、フリージアなんかを作ってたんやけど、そういう季節指数の高い花は、パートさんを雇っても休みになるとどっかいっちゃうんだよね~」
なるほど、つまりその季節にしか雇えないパートさんだと、また雇用しようと思ったときになかなか人員を確保するのが難しい。
そして、メンバーも交代するから、雇用するたびに一から教え直し。パートさんにスキルを蓄積していくことが難しいというわけですね。
「そうそう、だからパートさんにも通年で働いてもらえるものを作ろうと思って、バラにしたの。それもスプレーね」
ふむ、どうして当時はスプレーにこだわったのでしょうか。
「あ~、誰も作っていなかったから。それだけ」
そうですかぁ、“誰も作っていないから自分が作る!”というのは、ニッチでありながらリスクも高い。なぜ周りがやっていないかを見極めないと、成功するか失敗するかは表裏一体。
そのリスクを計算しつつ、「周りがやっていないから」というところにかけて実行されていくところが中村さんですねぇ。
品種選びの基準は何ですか?
「感覚ッ!( ^―゜)b
趣味ッ!
う~ん、でも一応自分の戦略に基づいてやっているんだよ。でもその戦略も毎日変わるからねぇ」
(゚-゚;)ウーン
もう少し教えてください・・・
「そやなぁ、ベースとして使ってもらえる花を導入するようにしてんねん。
“この産地のこれを買っておいたら安心”と思ってもらえる花。
欲しいから買うのではなく、必要だから買う。“なくちゃ始まらないよね”という品種という観点で選ぶねん。
花保ち剤を使ったとしても、それは魔法とちゃうからな・・・開いていない花が希望通りに咲くとは限らんやろ」
おっしゃる通り。
「それにもともと良い花、きちんと咲く花でないと花保ち剤使っても効かんやん。だから、そういう基準でも品種を選ぶね。
大型のパッカー屋さんの友人が多いからね。安心して彼らが納品できるものを提供したいやろ。裏切れんしな」
ビジネスパートナーさんを“友人”というポジションでご紹介いただきました。
大切なご友人と捉えていらっしゃるからこそ、信頼を裏切ることなく納品しようとする中村さんの姿勢が見て取れます。
「そういう観点で品種を選んどるけど、つまり大切なことは品種ではなく品質っちゅーことや!
品質を保つためにどの品種を選ぶか。そういうポイントやな」
ご自身でも育種されると伺いました。
「そうそう、そのときも感性でやるよ。でもなにしろ強くなかったらあかん!
花も樹勢も、何もかも強くあること。でないと中村セレクションからは落ちてしまうな。
例えばどんなに発色が良くてきれいでも、輸送に耐えられんかったら意味ないやろ。そんな花、エンドユーザーに届くときにはスカスカや。」
スカスカはいけません。
確かに、強さあっての美しさですよね。
「そや。弱かったらお客様にも迷惑をかけるし、出荷現場も大変や。
流通に載らん花は、畑でいくら良くてもお金にならん!」
確かに。
ホント、丈夫さを売りにしているだけあって、この茎、太ッ!∑(゜◇゜;)
ご覧ください。ちょっと太めの絵を持つボールペンと比べても、ひと回り太いくらいです。
これじゃぁ大田花きの営業担当をしてトンカチバラと言わしめるわけです。
納得、納得(゜ー゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)ウンウン
育種、育苗
そんな中村さんにとって、ご自身で育種していて良い品種に出合えるのは4年から5年に一度だそうです。
こちらの花をご覧ください。
中村さんが育種された品種です。名前はまだありません。
とてもきれいだったので、取材班もつい手に取って香りを嗅いでしまいましたが、形、色、香、三拍子揃ってとてもいい花ですね。
持った感じも茎が細い割にしっかりしていて、使いやすそうです。
「いや~、茎が細すぎてあかん。
市場の流行からしたら全てええかもしらんけど、バランス悪いわぁ」
えーーーーー!!!(+_+)
中村さん、ここまで条件が揃っているのにNGだなんて、なんてバーが高い!
こちらは交配した苗を育てる育苗室です。
接ぎ木したバラが活着(かっちゃく;根が張ること)するかどうかは温度と湿度が重要なポイントになります。
湿度が十分でないとすぐに枯れてしまうので、十分室内の湿度を保っておく必要があります。
みなさん、バラの接ぎ木苗をご覧になったことはありますか?
こちらがそれです。↓
こうして上手に茎を合わせてテープで巻き留め、育成したい品種(穂木;ほぎ)を台木(だいぎ;その株の根っことなる木)に接ぎます。
なぜ台木に次ぐ必要があるのかというと、ここに育種した1本のバラがあるとします。
これを販売用に増やしたい。すると、こうして1本のバラから育成用の枝をチョキチョキと切っていくわけです。
このとき切られた育成用の短い枝が穂木となります。
この穂木をプツプツと土に挿していけば、根が出てバラの株に生長するのですが、一般的にバラ、とりわけ若い穂木はデリケートで病気に弱く、大きくなる前に病気にかかってしまう可能性がとても高いのです。
そこで、直に土に挿すのではなく、病気に強いバラに接ぐことによって、病気にかかりにくい強い株を育てることができるのです。
台木に使われる品種はロサ・オドラータ(原種)やノバラなどで、これらの丈夫な台木に接ぐことによって、丈夫で樹勢が強いものができ、株全体の寿命も伸ばすこともできるのです。
中村さんもロサ・オドラータを台木にしています。
「樹勢も強いしな、丈が取れるわ」
なるほど、中村さんのトンカチバラの秘密はこの辺りにもありそうです。
こちらが台木に接ぐ方法で丈夫な株を作り、増やされた中村セレクションの数々です。
中村さんの手によって生まれた育種は興里農場の"K"が冒頭につき、“K-なんちゃら”という名前になりますので、どうぞご注目ください。
さて次に、生産の秘密にもう少し迫ってみましょう。
もしかして培地にワケあり?
「土耕栽培のときは土作りを重視していたんだけど、ロックウールに変えたときに買ったまま使うのではなく、独自にアレンジを加えて使ったんよ。
ロックウールでの十数種類の組み合わせで下に敷いてみたんよ。ゼオライトとかサンゴとかね。もちろんヒントは土耕栽培の中にあって、それまでトマト栽培などで研究したノウハウがあったからこそ、いろんな組み合わせを思いついたんやけどね。
いろいろやり始めたときに“土耕の水揚げはいいけど、ロックウールはイマイチとかね、いろいろ培地によって評価がまちまちなんよ。」
では何を・・・?
「これ」
ぬぬッ!
こ、これは切り花用の給水スポンジ?!!w(゚o゚*)w
「そうそう、給水スポンジを砕いて使ってんねん」
中村さんは切り花のアレンジ用に使う緑色の吸水スポンジを2cm角のキューブに砕いて培地としています。
でも、このスポンジだけでこの強くて美しいバラができてしまうのですか?
「うん!(≧∇≦)」(大きな声で元気良く!中村さんスマイル~)
え、ほんとですか??c(゚.゚*)。。。??
「その“うん!”の中には企業秘密も入っとる!」
そ、そうですよね~^_^;
聞いたあたしがウブすぎた。すみません。
「でも今の形に行きついてから、夏場ベッド内(培地の部分)に酸欠が起こらなくなったな。
潅水するにも保水に柔軟性ができて、根腐れがなくなったよ。
それにロックウールに比べ、花首も大きいものができるようになったよ」
すばらしーーー!一石二鳥も三鳥も・・・。
独自の摸索と研究で、他産地には真似できないバラができてしまうのですね。
核心は企業秘密にしても、強くて美しいバラの秘密のひとつは培地にもあることが分かりました。
他には?
切り前(採花のタイミング)にも何か理由が隠されていますか?
「あるで~。
うちはドレスフラワーで特許を取ってるんよ」
ド、ドレスフラワー??(・_・?)
ドレスフラワーとは、出荷時にバラの花の部分をネットで包んで出荷するというアイディアと技術のことです。
採花してからお花屋さんの店頭に置かれるまでの輸送中でも花は生長して開花を進めてしまいます。
その開花を抑えるためのものです。
このネットかけの発想が生まれた背景は?
「そうだね、ツボミで出してしまうとエンドユーザーのところで咲かないかもしれないという悩みがあるよね。小売店さんのところで開花調整などしてくれるのかもしれないけど、それも大変でしょ。
それに、ツボミで採花したものと咲かせてから採花したものでは日持ちが全然違うんよ。ツボミで出しても咲かないし、ベントネックになっちゃったりするんよね。
咲いたものの方が確実に長持ちするから開かせてから出したいんよね。
でも十分咲かせてそのまま出したら、エンドユーザーの手に渡ったときに、どんな姿になっているかわからないよね~。
そこで“咲かせて出荷”+“輸送中の開花を抑制”するための対策がこのドレスフラワーってわけ」
なるほど。
花は圃場で咲いたものが最も美しい。そして十分大人になって(開花して)強さを備えてから採花したものは、強さと美しさを両方兼ね備えているのです。
しかも長持ち!大人になって最も美しい状態で切ってそのまま飾ることが、最も長持ちするコツなのです。
ごく一般的にはこれくらいの開花で市場に出荷されます。
ここを中村さんのところではこの状態プラス2-3日圃場で咲かせてから、このくらいの状態で出荷します。
商業ベースに載せるとなると、切ってから飾るまでに必ず輸送が発生します。
その間のストレスをどのように解決するかということで生まれたのがドレスフラワーの発想なのです。
まあ輪(りん)の大きいことなんの!
「ウェディングで利用してもらう場合、お花屋さんが結構苦労して咲かせているんだよね。そうすると中には咲かないものもあるし、お花屋さんは大変でしょ。切るときの年齢を少し上げて、それを畑で咲かせてあげるんよ。そして、できるだけ切った瞬間の状態に近い形で消費者に届ける。それが狙いなんよ」
なるほど~。これだけ開花していてもネットでカバーすれば花びらが反り返るほど開いてしまうことはないわけですね。
↓↓↓↓↓
↓↓↓↓↓
若いのはかわいいけど大人のお話はできない。できるだけ大人に開花させて出荷したいけど、老化との矛盾がある。その問題をネットでカバーしようということですね!
このネット、リアル女性にも欲しいアイテムやわ~(≧∇≦)
実は取材班も市場でこのネットを見たことあります。
国内品のみならず海外からの輸入品でも見ますね。
しかし中村さんのパテント案だったとは存じませんでした。
「そや、海外の人もみんなマネしてんねん。
ほんまはパテントやから勝手に使ったらあかんねんで」
恐れ入りました・・・。
「結構みんな無断で使っているんよ。
無断で使っていたら処罰の対象になるから、みんな気を付けて!」
でもどうしてこのタイプのネットに辿り着いたのでしょう?
「まず一つは伸縮性のあるもの、これは大切だよね。作業上も商品保護上も考えてね。
女性のストッキングとか、果物を包んでいる保護材なんかでもやってみたんやけどね・・・虫も入るし、いろいろ試した結果、今のこれになったんよ。パッキングするときに緩みを持たせないと、花びらにネットの跡が付いちゃうでしょ。そう、緩みも大切」
中村さんは、このネットはお花屋さんではなく“エンドユーザーに渡った時点で取って欲しい”とおっしゃいます。
それは、このネットには花弁の保護と開花抑制の2つの意味があるからです。
このネットはエンドユーザーのためのものなので、エンドユーザーに届くまでは外さないでね♪と中村さん。
どのタイミングでネットをかけるのですか?
「採花の5日前から1秒前まで!」
ふむ。このあたりのルールはだいたいで大丈夫のようです。
なんて教えていただきながら、圃場を見渡してみると、このようなものが・・・この数字入りのカートは何でしょうか。
「サイズを測るメジャーの意味もあるけど、トゲで葉や花が傷まないようにこのウィール付きのこのカートに入れていくんよ。
それぞれの長さに合わせ置いていき、長さの異なるバラが上下に重なることはない。
そうすれば下に置かれた花への負荷が最小限にとどまり、傷もほとんど付かないねん。」
ふむふむ(゜-゜*)、なるほど。
「右手で花を切ったら流れ的には左手で抱えるやろ。それをやったら下に持った花や葉は傷つくやん。だからこれ(カート)を使うねん」
人の腕で抱えるってことは少なからずバラの重み以外の力がかかりますからね。
このような細やかな心遣いと創意工夫で、興里農場のバラは葉もきれい!
だからこそ、中村さんは自社のバラをQUEEN ROSEと名付けてブランド化しています。
←看板最上部に「QUEEN ROSE」と書いてあります。
どうしてKINGではなくQUEENなのですか?
「花は男性ではなく女性やねん。なーんでKINGにせなあかんねん。」
あ、これまた愚問で失礼いたしましたッ!m(_ _)m
「QUEENやしな、丁寧に作ることだけは心がけてるよ。傷つけたり汚したりしないように」
そうですね、ウェディングなどで使っていただくためにはキズものはいけません。
冷蔵庫に保管するときも長さをきちんと整理して長いバラのトゲが短いバラの花びらを傷つけることのないよう細心の注意を図ります。
そらもう、トゲとトゲの間に花が挟まろうものなら、出荷前に八つ裂きですわ。
この辺りの細やかな配慮や工夫はさすがです。
ユニークダイバーシティ : イスラエルへ
何でもイスラエルに頻繁にお出かけになっていたとお伺いいたしましたが、何のために?
「そうそう、某大手企業が日本に農業資材を輸入しようというときに、イスラエルの窓口になったんよ」
花き業界の多くの人がオランダやドイツ、フランスに出かけて花業界の発展に向けて様々なことを吸収しようとしているときに、中村さんはイスラエルに目を向けていました。
それもバラの品種を見に行ったり、農業資材を見に行ったり・・・何回か見ているうちにイスラエルが面白くなってね。
1990年代ころは隔月でイスラエルに出かけていたよ。
気候もイスラエルは地中海性気候でも南端の方だから、西岸海洋性気候のオランダよりも暑さ対策では参考になることが多いんよ」
冬の寒さはどうにでも対策が打てます。しかし、日本の夏の暑さはバラの生産者さんにとっては毎年異常とでも言いたくなるくらいやっかいです。
ですから、倣うべきはオランダよりもむしろイスラエル、ヒントはイスラエルにあると中村さんは考えたのです。
「そうしているうちにイスラエルに色々知り合いができてね、ある日『エコノミスト』というイスラエルの新聞の一面に載ったことがあるんよ。」
な、なんと∑(゜◇゜;)
「そこからまた芋づる式に知り合いが増えてね」
と思ったら、何と日本の雑誌にも掲載されているではありませんか!
経営と技術と商品の情報誌『農業経営者』(1998年11月号;㈱農業技術通信社発行)のグラビアを飾る中村さん。
かっこええなぁ~(*´ -`)
これはもうグラビアアイドルならぬ「グラビアファーマー」ですね!
ところで生産はどのように学ばれたのですか?
「僕ね、(技術などを)盗むの得意なんですわ。
師匠みたいな特定の人に教えてもらったことはないんやけど、(圃場に)3回くらい見に行ったらだいたいわかるな。
とりわけバラは誰の生産も参考にしてない」
え?ではどうやって?
「トマトの栽培が原点になっているし、90年代当時から南米やイスラエルを見て歩いているのでわかってしまったよ」
生産の基本がインプットされているから、1を見て10を知ることができるということでしょうか。センスがあるのでしょう。
「海外の産地の人がうちに来て、圃場を見ると“FANTASTIC!”や言うねん(嬉)♪」
中村さん、このグローバル社会の中、海外の一流産地が見学にいらして彼らに“FANTASTIC!”と言わせてしまうこと自体が“FANTASTIC!”ですよ。
「オランダの或るバラの種苗会社の社長に“お前んとこのバラ見たら、海外の産地はジェラシー覚えるでぇ”と言われたこともあんねん」
って、その社長さんはさすがに和歌山弁ではないとは思いますが、そんなことまで言われるほど生産を評価されるなんて、OTAのバラ担当者がすごいすごいと言うはずですわ。
おっと、このピンクのカーペットはなんでしょう?
「オキザリス“ディープオマ”や」
中村さんはバラの育種、生産だけでなく、ほかの花苗の育種や育苗もやっていらっしゃいます。
こちらは中村さんが育種されたオリジナル品種のディープオマ。種苗登録されています。
「パテントはしっかり取らなあかん。“整理をする”ということやわ。無秩序は良い物を世に出させなくなってしまう。そしたら日本の花き産業はダメになってしまうやろ」
なるほど、中村さんの視点は単なる“良いもの生産”ではなく、日本の農業をさらに活性化するところにおいていらっしゃいます。
ミクロの目とマクロの目。中村さんは農業経営者として両方の目をお持ちです。
そのほか和歌山県の主力品目でもあるスターチスなどの育苗も行っています。
中村さんにとってバラとは何ですか?
「生きる糧やな。命やわ。
LIFEでありEVERYTHING。
何物にも代えられん。
寒いも暑いも生活の全てバラがバラ生産に関する思考に繋がる」
10年後の夢は?
「日本でトップ産地の一つになりたいな」
もうなっていらっしゃるのでは?
「いやいや、バラでクイーンローズいうてもまだまだエンドユーザーはわからんやろ。雑誌にもあまり載らんしな。
上から◎傑みたいな名前を連ねる産地として、エンドユーザーに認知されるようになりたいわ」
興里農場の格言
・ 生産するときは常にエンドユーザーを意識すべし。
また業務用のバラは仕事をされる方が使いたい状態まで圃場で咲かせて出荷すべし。
・ 品種選びの品種はひたすら「強いもの」。強さあっての美しさ。美しいだけのバラは流通に載せるべからず。
・ 独自性を生かすべし。人の後を追っているだけでは、その人と同じものしかできないということ。
・ ドレスフラワーはただの網かけローズではない!
バラ人生の中で最も美しい状態を保つための老化防止効果の高い秘密兵器であった!
・ 花の取り扱いは丁寧に行うべし。皆がやっている当たり前のようなことに聞こえるかもしれませんが、そこに創意工夫を施すことによって、最後の品質はグンと違ってくるのです。
消費者の皆様へひとこと
どこの花より1日でも長く持つバラを作ります。
同じ品種で他産地と混ざったら、「これは興里の!」とわかるくらい顔がある産地。
それがREMARKABLE(リマーカブル;際立っている)であるということです・・・という産地であり続けるよう努力しますので、宜しくお願いします。
興里農場の「興里」とは「里を興す」の意味。
「設立当初は周りの人と一緒に花をやって産地として形成できるようにと思って始めたんだけどね。今はうちだけだよ。お金の問題ではなく、花が好きじゃないとできないでしょ。」
ここにもまたひとりFLOWER PEOPLEを見つけました。
【番外編】
こちらは中村さんのご自宅です。
スッ、スゴイ!!!ヽ(*゚O゚)ノ
築60年、造りは歴史を感じさせますが、とてもきれいで良くメンテナンスされている感が漂います。
しかも、お庭(「庭園」ていうのかしら、こういうの??)には塵ひとつ落ちていない!
あの煙突、ご覧ください。今ではかなり珍しいそうです。
【CM】 JAわかやまのジンジャーエール
中村さんが大田花きにご出荷される際は、輸送効率を考えJAわかやまを通じて出荷されます。
そのJAわかやまから販売しているのがこちらのジンジャーエール。
ショウガの生産量が高知県に次いで全国第2位の和歌山が、その特産であるショウガを使って開発した商品がこちらです!→
お味は・・・?
(* ̄O)◇ゞ ゴクゴク・・・
う~ん♪
とぉってもジンジャリー(≧∇≦)!!
こんなジンジャーエール、いただいたことがありません。
ジンジャーエールというより“ショウガまるごとドリンク”って感じです。
風邪をひきそうだったので、こちらを少し温めていただいたら、すっかり良くなってしまいました。
【松下幸之助】
世界的に有名なのは中村さんもそうかもしれませんが、こちらの松下幸之助さんもご存知ない方はいらっしゃらないでしょう。
言わずと知れた現在のパナソニックの創設者であり、経営の神様との異名を持つ日本を代表する実業家です。
1894(明治27)年、和歌山市(旧海草郡和佐村)にお生まれになりました。
なんと中村さんはこの松下幸之助さん生誕の地から目と鼻の先にあるのです。
こういった偉人を育てる土壌がある和歌山県はさすがです。
それではみなさま、本年もウン探をご愛読いただきまして、誠にありがとうございましたm(_ _)m
2010年の締めくくりは、来年に繋ぐべく「末広がりの8」、「vol.80」で縁起良く幕を閉じることになりました。
どうぞ2011年もウン探を宜しくお願い申し上げます。
we wish you a merry merry christmas & a happy new year!
see you in 2011!
<写真・文責:ikuko naito@花研>